面接で落ちたくないから他の人の不合格理由を知って面接対策に活かしたい!
面接で落ちたけどその理由を教えてもらえなかった。どんな理由で落ちるの?
転職活動をしていて面接で落ちても企業からは「〜様のご活躍をお祈りしております」という定型文が送られてくるだけで落ちた理由を教えてくれないことがほとんどだと思います。
私は転職エージェントで10年近く勤務経験があり、候補者が面接で不合格になるたびに理由を企業からヒアリングしてきました。
それらの経験をもとに、面接で落ちる理由をいくつかのパターンにまとめたので紹介していきます。
中途採用面接での不合格理由
新卒時の就職活動と転職活動の面接とでは不合格となる理由も違ってきます。
ここでは中途採用面接、つまり転職シーンにおける不合格理由をご紹介していきます。
絶対評価は合格だが相対評価で不合格
企業が候補者の合否を判断する場合、必ず絶対評価としてどうかという視点と相対評価としてどうかという視点の両方で見られることになります。
他に候補者がいなかったとしても絶対評価で基準をクリアしていなければ不合格となりますし、絶対評価では合格でも他にもっと良い候補者がいたら不合格となってしまいます。
例えば、「5年以上の経験必須」となっているのに1年しか経験がない人が応募しても、絶対評価として合格基準に満たないため不合格となります。
一方、同じ求人に対して自分が6年の経験を持っていたとしても他の候補者が8年の経験を持っていたとしたら他の候補者の方が高く評価されることとなり自分は落とされてしまうことになります。
スキル不足(即戦力性に欠ける)
基本的にほとんどの中途採用は即戦力募集です。
なので募集しているポジションで直ぐに活躍してもらえそうな経験やスキルを持っているかどうかが合否の判断ポイントとなります。
仮に同じ職種経験を持っていたとしても企業が違えば業務内容も異なるため、求められるスキルも異なります。
例えば営業という仕事を例に挙げると、ルート営業しか経験がない人が新規開拓しないといけない求人に応募しても即戦力とは見なされない可能性が高いですし、証券会社の営業経験があってもメーカーの営業求人には受かりにくかったりします。
性別が対象外(男性が良い/女性が良い)
最近では女性管理職比率の引き上げを求められていることもあり、むしろ女性限定といった募集も増えてきました。
しかし、まだまだ女性を積極的に募集しているポジションは広報や採用といったポジションに限定されています。
例えば工場長や営業部長の求人で女性を優先的に探しているものは見かけませんし、肉体労働系は男性しかターゲットにしていないものも多いです。
このように、職種によって男性が有利になったり女性が有利になったりします。
なので求人票には書かれていなくとも、企業として採用したい性別の希望がある場合にはそれと異なる性別の人が応募しても不合格となってしまいます。
例えば女性しかいない部署なので男性を採用してバランスを取りたい、というようなケースもありますね。
あとは募集内容に「女性が多く活躍している職場です!」みたいに書いてある求人は女性を採用したいと思っている可能性が高いです。
志望度が低いと感じられてしまった/志望理由が不明確
中途採用の場合、新卒採用と比べると志望度はそこまで強く見ない企業が多いです。
とはいえ、志望する理由をしっかり言えないと内定が出ることはほとんどありません。
企業としてはせっかく採用しても意欲的に働いてくれなかったりすぐやめてしまわれると困りますし、志望度が低い人材はそうした懸念をもたれることが多いのです。
企業から指名でヘッドハンティングされるくらいであれば、「なぜ御社は私が欲しいのですか?」と逆に質問すべきですが、一般的には求人に応募するのは候補者の方です。
なのでなぜその企業や求人に魅力に感じたのかしっかりと志望動機を述べられないといくらスキルがあっていても不合格となります。
ダメな志望理由としては「募集していたから」とか「エージェントに紹介されたから」みたいな理由ですね。
これはそもそも求人を知ったきっかけに過ぎず志望する理由にはなっていないからです。
求人なんて世界を見渡せばほぼ無限にある中でなぜその求人の募集に惹かれたのか?の理由を伝えられている必要があります。
志望理由は転職理由とつながっていると説得力がありますし、逆に関係が見られないと説得力に欠けてしまいます。
身だしなみ・外見
営業職であれば清潔感は必須ですし、営業以外の職種でも最低限の身だしなみは重要です。
髪の毛が長かったりスーツがよれよれ。
フケが付いている。
シャツの袖のボタンを留めていない。
上記のような理由で落とされることがあります。
あと外見ではないかもしれませんがタバコの臭いをさせて面接に臨むのもNGです。
また、広報や採用担当といった会社の顔となるポジションも業界関係なく身だしなみや外見が重要視されます。
あとは、外資の化粧品やアパレル系のブランドだと、ビジュアルやファッションセンスも含めて見られます。
自社のブランドイメージにあっている人材かどうかという視点で選考されますので、そこから外れていた場合、いかに仕事のスキルが優れていたとしても合格となることはありません。
オンライン面接も当たり前になりましたが、その場合には単に自分の顔や服だけじゃなく背景に映る自分の部屋が汚くないか、散らかっていないかについても注意が必要です。
学歴が基準を満たしていない
求人によっては完全に学歴不問というケースもありますが、多くの求人では学歴でフィルターをかけたり優先順位をつけたりしています。
高卒か大卒か、ということだけでなく「早慶旧帝国大学以上」のように大学の中でも限定している企業も少なからずありますし、一番多いのは「関関同立 or MARCH以上」という切り方です。
メーカーの研究職など一部の専門性が高い職種では修士号や博士号を持っていないと受からないケースも珍しくありません。
学歴で不合格にするのは書類選考段階が多いものの、面接まで進んでも学歴がネックになって落とされることはあるので注意が必要です。
年齢が対象外(若すぎる/歳を取りすぎている)
世の中の求人の99%以上が「年齢不問」と表記している一方で、そのほぼ100%が実際には年齢制限をしています。
なので年齢不問の求人であっても年齢を理由に落とされるケースが非常に多いです。
未経験歓迎のポジションの場合には若いほど好まれますし、経験者募集のポジションでも上司となる人とあまりに年齢が近かったり年上だったりすると選考で不利になることがあります。
「この年齢ならこの経験まで欲しい」みたいに年齢と経験のバランスを理由に落とされることも多いので、求人としての対象年齢には合っているが経験不足も含めての年齢NGということもあったりします。
現在年収が高すぎる
現在年収が高すぎると、いくら希望年収を低く伝えたところで「入社後直ぐに辞めるのでは」との懸念を持たれて落とされるということがあります。
現在年収3000万円とか貰ってる人が「もうお金は十分に稼いだからこだわりはありません」と仰るケースがちょくちょくありますし、その方からすれば本音なのだと思いますが企業からすれば疑わしかったり、疑っていないにせよ扱いづらかったりして不合格にしてしまうケースがあります。
希望年収が高すぎる
希望年収として伝えた金額が企業の用意できる金額よりも高いと「そんなに払えない」として不合格となります。
あるいは仮に希望年収がその求人の想定年収の範囲内に収まっていたとしても、現在年収が400万円なのに希望年収が800万円と伝えてしまうと、「なぜそんなに現在と希望とが離れているのか?」と不信感を持たれてしまい不合格となってしまいます。
その金額でなければ転職する必要性がないということであれば正直に金額を伝えればOKですが、年収を上げる必要性が高くない場合には「御社規定に従います」または「現在年収と同等であれば問題ありません」などと伝えるのが正解です。
転職で年収を上げたい人はこちらの記事も参考にしてみてください。
不安なら転職エージェントに現在年収と希望年収をいくらで伝えるべきか相談してみましょう。
オーバースペック
オーバースペック、つまりその仕事を任せるには優秀すぎるという理由で落とされることがあります。
例えば営業事務のポジションにスティーブ・ジョブズが就くのは明らかにオーバースペックでしょう。
万が一採用されてしまったら他の営業事務や営業の人がやりづらくて生産性が落ちるかもしれません。
また、そもそも年収が折り合いませんよね。
年収400万円くらいで募集しているのに年収1000万円の人から応募が来ても選考するだけ無駄だと思われたりします。
あるいは採用された人自身が仕事を面白く感じずに退職してしまうのではないか、といった懸念もあります。
優秀であればどんなポジションでも受かるわけではないということは知っておきましょう。
不合格が続いて落ち込んだ時には、「ああ、俺が優秀過ぎてダメなんだな」くらいに思っておくと精神衛生上はいいかもしれませんね。
入社時期が折り合わない
企業は来月1日から来て欲しいのに、現職での引き継ぎにかかる期間などで入社が3ヶ月以降しか無理、といった具合に企業と求職者との間で入社時期の希望にズレがあると不合格になることがあります。
新サービスのリリース時期が決まっていたり、退職予定者から引き継ぎを受けてもらう必要がある場合などで企業は入社日を急ぐことがあります。
基本的には内定をもらってから1ヶ月〜1ヶ月半での入社が求められますのでできるだけ早く引き継ぎができるよう準備しておきましょう。
退職交渉について気になる方はこちらの記事をご覧ください。
リファレンスチェックでの評判が悪い
リファレンスチェックとは求職者が本当に自分でアピールするような人物なのかを第3者へのヒアリング調査を通じてチェックすることです。
普通はヒアリングしてもらう人を求職者が選べるので問題ありませんが、裏側で企業がこっそりとヒアリングするケースもあるので安心はできません。
また、たまたま応募先企業に自分のことを知っている人がいた場合、その人から見た自分の印象が悪いと落とされることもあります。
同業界への転職の際には自分のことを知っている人が応募先企業にいる可能性が高いので、自分のことをその人にヒアリングしていると思って間違い無いです。
また、リファレンスを取る人物をこちらで選べる場合でも、その選んだ人物が本当に自分のことをよく言ってくれるかというとそうでもないです。
私の同僚でもリファレンスチェックの電話を何度か受けていますが、「私はあいつとは働きたくない」などと言っているそうです。
リファレンスチェックについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
適性検査の結果が悪い
適性検査で性格面や点数が悪いと不合格になることがあります。
仮にSPIなど性格面も図る適性検査を受ける場合、面接での評価が高くとも不合格になることは十分に考えられます。
例えば、「面接での印象では積極的に仕事をこなす人物だと感じたが、適性検査の結果を見ると受け身な人物と出ている。もしかすると面接での受け答えが嘘だったのかも。不合格。」というように面接での印象と適性検査の結果はセットで判断されるため注意しましょう。
転職回数が多い
転職回数が多いと「採用しても直ぐにまた辞めてしまうのでは」と思われて不合格となることがあります。
目安ですが、20代〜30代で2社経験、40代〜50代で3社経験というのが一つのボーダーとお考えください。
それを上回ると選考で落ちる可能性がグッと上がってきます。
需要の高いスキルを持っていれば転職回数の上限は格段に増えます。
例えば、世界トップクラスのAIエンジニアであれば転職なんて10回でも20回でもできるでしょう。
転職回数を気にする企業の場合は書類段階で落とされるケースが多いものの、「事情があってのことかもしれないので一応面接して理由を聞いてみる」というスタンスの企業もあります。
その場合、「話を聞いてみたけど転職回数が多いのは本人に問題がある」と思われてしまうと不合格になります。
転職理由に納得できない
どれだけスキルが高くても、転職理由が微妙ならそれだけで不合格になります。
納得感の乏しい転職理由は、「本当の理由を隠している」とか「また安易に転職しそうだな」といった懸念に繋がるからです。
例えば「忙しいのに周りがサポートしてくれなかったから」といった理由を伝えてしまうと「周りのせいにする人だ。小さなことでまた直ぐ辞めそうだな。」と思われて合格が遠のきます。
転職回数が選考に与える影響について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
その会社の人は取らない方針
特定の会社にいた人を取らない方針の企業もあります。
理由としては「過去にその会社の人を採用したけど酷かったから」とか「すでに何名も採用しているからお腹いっぱい」とか「付き合いが深いからその会社の人を採用すると会社間の関係が悪化しそうだから」みたいなケースがあります。
カルチャーと合わない
経験的にはマッチしていてもカルチャーとその人の性格が合わなければ合格しないことが多いです。
例えば能動的に動ける人が欲しいのに受け身の正確な人が応募してしまったとか、会社的にはスピード重視で60点でいいからすぐに仕事を終わらせることを是としている中で、丁寧に仕事を進めるタイプの人が応募してしまったみたいなケースだと不合格になる可能性が高いです。
まとめ
今回色々とご紹介したように、選考で合格になるか不合格になるかはかなりいろんな要素が絡む話です。
合格を勝ち取るコツは自分に合った求人を見つけて応募することです。
自分に合った求人を自分の力で見つけることは意外に難しかったりしますので、転職エージェントを使ってみることも大事です。
私自身も自分の転職活動の時にはエージェントを使うことでいろんな求人と出会うことができましたし、面接対策をしてもらうことで内定までいただくことができたので使って良かったと感じています。
私の転職活動については別の記事でまとめてますので参考になれば幸いです。