自己分析・企業研究

自己分析はなぜ必要なのか?理由とやり方を解説

自己分析の様子
この記事はこんな人向け

・なぜ自己分析が必要なのか分からない

・どの様に自己分析をすれば良いのか分からない

こんな疑問やお悩みにお答えしていきます。

自己分析とは自分の価値観と行動特性とを明らかにすることで、転職活動の内定獲得率とミスマッチな転職を減らすという点でプラスの効果があります。

その理由と具体的な方法について解説していきますね。

自己分析とは何か

自己分析の分析結果

自己分析という言葉は多くの方が聞いたことがあるはずですが、実際に何をすることなのかを理解している人は少ないです。

自己分析とは自分の強みと弱みを知ることだ、と解釈している人もいますが、それは自己分析のほんの一部に過ぎません。

自己分析とは現在の自分の価値観と行動特性とを過去から紐解いていく作業のことです。

・自分自身がどんな価値観や行動特性を持った人間なのかを明らかにすること

・自分がなぜその様な価値観や行動特性を持つようになったのかを過去の経験から明らかにすること

価値観と行動特性とは別物であり、それぞれ分けて理解する必要がある点に注意しましょう。

価値観とはあくまでもどう感じるか、という心の中の動きであるのに対して、行動特性とは実際に目に見える形でどう行動したのか?という反応を意味します。

例えば、人から怒られたことに対して、「悲しい」と感じるのは価値観ですが、同じく「悲しい」と感じた人でも「何も反応しない」人もいれば「相手に攻撃する」人もいるでしょう。

このように、同じようなことを感じたとしても、実際にどのような行動を取るのかによっても人は個性が出ます。

逆もまた然りで、同じ行動をとっている人が同じことを感じているとも限らないわけです。

なので、繰り返しになりますが、自己分析とは自分が持っている価値観と行動特性の2つを明確に理解するために必要な作業なのです。

また、今の自分が持っている価値観や行動特性は必ずしも生まれつき持っていたわけではありません。

何かしらそうした価値観を持つに至った出来事が過去にあったはずです。

なので、現在の自分の価値観と行動特性をなぜ身につけるに至ったのかも振り返ることで、より深く自分自身について理解することができるのです。

自己分析をする目的

自己分析をしている男性

自己分析をする目的は、選考での合格率を上げること、そしてミスマッチな転職を防ぐことの2つに集約されます。

・内定をもらえる確率を上げる

・転職によるミスマッチを防ぐ

順番に解説していきます。

内定をもらえる確率(選考通過率)を上げるため

まず、内定をもらえる確率を上げる、について。

自己分析をすることで合格率が上がります。

その理由を企業の立場に立って考えてみましょう。

企業にとって優秀な人材を採用できるかどうかは死活問題です。

日本では簡単にリストラをすることができないため、一度採用してしまったら最後、よほどのことがない限りは自分から辞めるというまで退職させられません。

そして、人件費は毎月必ず発生する固定費であり、経営の大きな負担となります。

一方、企業からすれば人材の選考で接する情報はごくわずかしかありません。

候補者が記入した履歴書と職務経歴書の情報をもとに書類選考をし、たった1回〜3回の面接で億単位のコストが発生する投資を決断しなくてはならないのです。

その貴重な面接の場で、(企業が候補者に)質問した内容に対してしっかり答えられないようでは内定を出せるはずもありません。

企業は候補者が「自社に合いそうか?」「長く続けてくれそうか?」「即戦力になってくれそうか?」という点を見極めるためには、候補者が「どんな性格なのか?」を正確に把握する必要があります。

性格や人柄を把握するため、企業はいろんな角度で質問をしてくることが予想されます。

時には予想外の質問も飛んでくるでしょう。

企業からの厳しい質問に答えるためには、深い自己分析に裏打ちされた明確な自己理解が不可欠となります。

これが自己分析が必要な1つ目の理由です。

転職によるミスマッチを防ぐため

2つ目の理由は転職によるミスマッチを防ぐこと。

内定を取るためだけに自分をよく見せようとする人はいますし、うまくキャラクターを作り込めば内定を取ることは十分に可能です。

でも、それで転職した会社が自分に合っているかどうかは別問題です。

人が会社を辞める理由のほとんどは会社とのミスマッチですが、自分を偽って面接を受けてしまうことで、ミスマッチを引き起こす確率がぐんと上がってしまうのです。

例えば、本当は人と会話するのが苦手なのに、「新規開拓が得意です!」などと嘘をついて営業会社に転職しても辛くてすぐに退職してしまうだけです。

これは嘘をつかずとも自己分析が正しく行えていなければ同じことが起こります。

「自分は人と話すのが得意だから新規開拓は楽しんでやれるだろう」などと考えていても、「人と話すのは好きだけど、ノルマを課されるのは死ぬほど嫌いだった」という自分の本質を理解できていなければ、「合うと思っていたのに合わなかった」という事態が起こります。

転職してみて合わなければすぐまた転職すればいいや!と考える方もいらっしゃるかも知れませんが、それもオススメできません。

なぜなら、転職は回数を重ねるほど次の転職で不利になる傾向があるからです。

企業からすれば、何度も転職している人を採用してもすぐにまた退職されそうなので採用したくないんですね。

よほど市場価値の高いスキルを持っていれば別ですが、基本的には20代で2回以上転職するのは多いと評価する企業が大半です。

貴重な転職の機会を無駄にしないためにも、ミスマッチな会社やポジションを避けるための自己分析は重要です。

自己分析の方法と明確にすべきこと

自己分析の方法のイメージ

自己分析を通じて把握すべきことは以下の通りです。

・強みと弱み

・何を重要と考えるか/何を重要ではないと考えるか

・喜怒哀楽をそれぞれ引き起こす要因は何か?

・喜怒哀楽の感情が出てきた際、どのような行動を取ってきたか?

それぞれ互いに重複する要素を含んでいますが、いずれも重要なことなので順番に解説していきます。

強みと弱み

自己分析と聞いて真っ先に思い浮かべるのが強みと弱みではないでしょうか。

就職活動と比べると直接的に「あなたの強みは何だと思いますか?」と聞かれることは少ないですが、強みと弱みを把握しておくことの重要性は少しも変わりません。

自分の強みや弱みを把握する際の注意点としては、全ての強みは弱みの裏返しでもあり、逆もまた然りだという点です。

つまり、強みしかないという人はおらず、強みがないという人もいません。

例えば、「空気が読めない」という弱みは「周りに流されずに行動できる」という強みでもあります。

ただ、そう言ってしまうと「じゃあ結局何を強みとして捉えればいいの?」という疑問が出てきますが、迷ったら「周りから何と褒められたことがあるか?」を考えてみると良いです。

周囲から見てあなたの良い部分として受け止められていることはそのままあなたの長所として考えて間違いありません。

また、自分で考えるのが苦手な人は簡単に診断することも可能です。

ストレングスファインダーというツールを使えば、質問に答えていくだけで自分の5つの強みを明確にすることができます。⇨関連記事:ストレングスファインダーの自己分析で転職成功率を上げる方法

友達や家族、会社の人からどんなことで褒められたことがあるかを思い出してみましょう。それで出てきたことがあなたの長所です。

一方、短所についても周りから言われたことがあればそれも自己理解としては参考にしておきましょう。

ただし、面接で短所を聞かれた際に何と答えるべきかは別問題です。

嘘をつく必要はありませんが、あまりにネガティブな表現で伝えてしまうと面接での評価がいたずらに悪くなってしまいます。

もし面接で短所を聞かれることがあったなら、どのようにその短所と向き合っているか、どう克服しようとしているかもセットで答えるのが良いでしょう。⇨関連記事:面接でのNGワード【こんな転職理由は絶対落ちます】

つまり、自己分析の段階で短所を理解するだけでなく、その短所にどう向き合っているのかまで考える必要があるということでもあります。

重要と考えること/重要ではないと考えること

自分がどんな価値観なのかを知るには、何を重要なことだと考え何を重要だと考えないのかを整理することも大事です。

例えば、働く上で最も重視することは「成果が目に見えること」なのか「裁量が大きいこと」なのか「チームメンバーと和気あいあいと働けること」なのか、といったことです。

また、重要なこととそうでないことが整理できたら、そう考えるように至った理由も考えてみましょう。

どのような経験をきっかけにそのような価値観を持つに至ったのかを把握するためです。

喜怒哀楽を引き起こす要因は何か?

自己理解にあたっては、自分の感情の動きも自分で把握しておく必要があります。

言い換えると、あなたがどんな時に嬉しく思い、どんなことに怒り、どんなことに悲しみ、どんな時に楽しいと感じるのかを整理するということです。

先ほど自分にとって重要なこととそうでないことについて考えるように書きましたが、当然そことも密接に関わってきます。

おそらく自分にとって重要なことが満たせなければ怒りや悲しみの感情が出てくるでしょうし、満たせれば喜びや楽しさが出てくるでしょう。

⇨関連記事:自分の天職を見つける方法【絞り込み、検証、実績、転職の4ステップ】

喜怒哀楽にどう対応してきたのか?

どんな時に自分がどう感じるのか、というパターンが見えてきたら、次に考えるべきことは喜怒哀楽に対して自分がどんな行動をとってきたのか、という点です。

嬉しかった時、あなたはどうしましたか?ひとりで喜びを噛みしめましたか?それとも誰かと喜びを分かち合いましたか?

怒った時、あなたはどのようにその怒りを抑えましたか?それとも怒りの原因となった人やものに攻撃しましたか?

悲しかった時、あなたはどう対応しましたか?誰かに相談しましたか?時間が解決してくれるのをひとりで待ちましたか?なぜそうしたのですか?

楽しいと感じた時、あなたはどのようにその楽しさを表現しましたか?写真にとってSNSでシェアしましたか?それとも友達にLINEで連絡しましたか?

こんな感じで自分がどんな感情の時にどう行動してきたのかを整理していきます。

プライベートでも仕事の時でも構いませんが、どちらかといえば仕事での経験をもとに考えをまとめた方が選考では答えやすいかと思います。

まとめ

自己分析に取り組む男性

自己分析は転職活動を成功させる上で必須です。

今回ご紹介した内容を振り返りつつ、ぜひ自己分析を進めていってください。

・自己分析とは:自分自身がどんな価値観や行動特性を持った人間なのか、なぜそうなったのか

・自己分析が必要な理由:内定率アップとミスマッチの防止

・自己分析で明確にするべきこと:強み/弱み、喜怒哀楽を引き起こす要素とその理由など

・自己分析の方法:自分で、人から教えてもらう、本を使う

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