仕事内容

営業企画として6年働いて感じたやりがいと大変さとは?

私は新卒で人材会社に入社して3年〜4年ほど法人営業を経験し、そこから営業企画に異動しました。

外資だと英語でSales Planningなんて呼ばれたりもしますね。

人材会社で4年営業企画をやり、その後SaaSに転職してからも営業企画として2年ほど働いていたので転職を挟んでトータル6年ほど営業企画を経験してきたことになりますね。

実際には転職前に事業企画、転職後にはプロダクトマネージャーという職種も経験してますが今回は営業企画時代の経験に焦点を当てて、仕事のやりがいや苦労についてご紹介していきますので、営業企画へのキャリアチェンジを考える方の参考になれば幸いです。

※いずれもあくまで私個人の感じたことですのでご了承ください。

やりがい

まずは営業企画職のやりがいからご紹介していきます。

事業全体への貢献度が大きい

営業職から営業企画に移って最初に感じたのは自分の仕事の影響範囲の広さでしたね。

営業時代はどちらかといえば個人プレーというか、会社への貢献という点で言えばあくまで自分自身が一人でいくら売ったかという個人に閉じた業務をしていたイメージでした。

実際に営業時代の評価なんて個人の売上が全てでしたしね。

どれだけチームメンバーが売り上げを上げても自分が売れてなければ全く評価されませんでしたし、逆に自分が毎月達成していればチームが未達成でも評価が落ちることはありませんでした。(それはそれでどうなんだと思いますが)

でも営業企画に移ってからは自分自身が売上を作るわけではなく、事業全体の売上を営業観点でどう底上げできるか、ということを考えて実行することが仕事となり、事業全体に影響を与えられる仕事ができるようになったのです。

自分一人だけ数字を上げれば評価された営業時代はどこか数字を追い求めることに虚しさを感じてましたが、事業全体の売上成長を支援できる立場になったことで自分の介在価値をより強く感じることができるようになりました。

事業全体に関わっていることを意識するのは単に業務だけの話ではなく目標金額も同様です。

仕事のイメージで言えば営業時代に一人が追っていた金額の100倍以上の金額を目標として持ち、その売上目標達成に向けていろんな企画を推進していくわけなので金額面で見てもスケールが大きい仕事だと感じることができました。

やれることが多いから楽しいし飽きづらい

営業企画は業務の幅がかなり広くていろんな経験を積めるので飽きません。

私が経験したことを一例として挙げてみますね。

まずは営業との商談同行。

私自身が新規開拓で実績を上げていたこともあり、若手の営業と一緒に商談しにいき若手の代わりに私が商談でクロージングする様子を見せるみたいなことをやってました。

また、そもそもインサイドセールスからアポを取りに行く際、「営業が行きます」だとアポが取りにくいですが「企画の物が情報提供しに行きます」だとアポが取りやすかったりするのでアポを取るための武器として自分の存在が使われたりしてましたね。

後は営業向けの勉強会企画も結構やりました。

毎回どんなコンテンツにしようか考えるのは大変でしたがそれがとても楽しかったのを覚えてます。

社内向けに情報発信するホームページみたいなのを作ってみたこともありました。

HTMLやCSSについて勉強して、社内のエンジニアにも話を聞きながらデザインを整えたりして、「あれ、いつからウェブデザイナーになったんだっけ?」みたいな。

海外拠点に出張したこともありました。

現地の事情を取材して冊子にまとめることで営業でアポを取るためのきっかけに使ってもらったり。

また、プレスリリースも書きました。

自分で調査を企画し、調査結果をプレスリリースにまとめて発表したらかなりのメディアが掲載してくれて予想以上の成果につなげることもできました。

こんな感じで自分から企画すれば会社として前例がないことにもチャレンジできますし、営業時代と比べると格段にやれることが増えた点はすごく楽しかったですね。

社内外でいろんな人と関われる

営業企画は社内外で多くの人と関わる仕事です。

営業の時は基本的にお客さん(候補)としかやりとりがなかったですが、営業企画に移ってからは営業担当、営業部長、役員、情シス、海外拠点の人といった社内の人たち、社外で言えばお客さん(候補)はもちろんのこと、一緒にセミナーをやる共催相手の方やサービスとして利用するベンダーの方々など、かなり関わる人が多岐に渡ります。

私はそこまで新しい人と関わりたいタイプではないもののそれでも楽しさを感じられたので、人と関わるのが好きな人なら尚更好きになれる仕事だと思います。

私の場合は年間200社ほど営業と一緒に商談に行ってましたし、セミナーをやると一回で数十名の方と名刺交換することになります。

調査結果をメディアに持ち込むときは新聞記者の方とも話をしましたし、JETROの方などともやり取りをするケースもありました。

視野を広く持つことができるようになる

いろんな人と関わりを持ち、営業時代よりもやれることが増え、持つ目標金額も増えるなど自分の役割が営業から大きく変わったことで必然的に視野も広がっていくのはすごく充実感ありますね。

経営者やそのほかいろんな立場の人がそれぞれ困っていることをよりリアルに感じられるようになりました。

営業の時よりも広く深く考えられるようになったので、多分いま営業に戻ったら営業時代よりも売れる気がします。

なので営業が楽しいと感じている人も一度営業企画をやってみてからまた営業に戻るというキャリアを選ぶのはありなのではと思いますね。

企画から実行までのスピードが速い

営業企画は営業現場ととても距離感が近いポジションです。

なので営業と密にコミュニケーションを取りながら営業現場で困っていることを理解し、それを企画に落とし込んで提案すれば即日実行に移せたりします。

私は事業企画やプロダクトマネージャー(PdM)といった企画職も経験してますが、企画立案から実行までのスピード感は他の企画職と比べて一番速いです。

いろんな企画をスピーディに実行できると効果実感も早く感じられるのでその点はやりがいに感じられると思います。

苦労

続いて営業企画の苦労についてご紹介していきます。

施策が営業面に限られる

営業企画は企画職として営業時代よりも幅広い打ち手を講じられる点はやりがいである反面、それでもどんな打ち手でもやれるわけではなくあくまで営業面でしか選択肢を持てない点はもどかしさを感じることがありました。

自分が仕事を通じて関わるのは主に営業の人たちなので、マーケやインサイドセールス、あるいは情シスといった観点での企画は不可能ではないにせよ実現の難易度が極めて高いです。

実際、私は営業企画の立場でMAツールを入れようと動いた結果、「それは事業企画でやれ」とのことで事業企画に異動することになりました。

要はMAツールの導入検討をするのは営業企画じゃなくて事業企画の仕事というわけで、営業企画としてなんでもやって良いわけではありませんでした。

高額な施策はやれない

企画の制約として金額的な面も事業企画と比べると安めになります。

事業企画はそれこそCRMやらSFAの導入などをやれば年間億単位の金額を動かす企画もやれましたが、営業企画で動かせるのはせいぜい100万くらいでした。

なので基本的にお金を使わずに何ができるかという観点で企画を練ることになりそれはそれで良い訓練にはなったものの、物足りなさを感じる側面もありましたね。

営業全体に浸透させるのが大変

営業企画は自分自身で売上を作れないため営業を動かす必要があります。

ただ、自分が良いと思って企画したことも実際に営業現場で実行してくれなくては何の成果にもつながりません。

例えば新しく営業資料を作ったとしても前の資料の方が使いやすいと思われてしまったら新しい方は使ってもらえないみたいなことが起きるわけですね。

なので自分が頑張るだけでは意味がなく、営業の人の関心や課題感に沿って企画をしていかなくてはなりません。

私の場合は「これをやったら絶対に成果は出る」という自信のある営業手法について、共感してくれる一部の営業と協力をし、その営業が実際に成果を出せたらそこから徐々に他の営業にも波及していく、みたいな感じで一部から始めて全体に時間をかけて浸透させるようなやり方を取ってました。

これは結構骨が折れる作業でしたね。

営業ほどダイレクトに評価に繋がらない

営業なら自分の売上で評価が決まりますが、営業企画の場合には自分のやった仕事の成果を証明することが難しく評価にダイレクトに反映されない点はもどかしさがありました。

仮に営業に向けて研修した後に営業の成績が上がったとしてもそれが研修の成果だと証明することはできません。

また、営業全体の売上を目標として追いかける立場でもあるので、一部の営業で成果が出ても全体として達成できていなければ評価されません。

全社表彰されたこともありましたが、会社から正当に評価してもらうことの難しさはずっと感じてました。

まとめ

営業企画はやれることの幅が広くいろんなやりがいを感じられる魅力的な仕事です。

営業経験も活かしやすいので企画職へのキャリアチェンジもしやすいですし、営業からのキャリアチェンジを考えている方は是非検討してみてください。

苦労もたくさんしましたが私は営業企画に異動してよかったなと心から感じているので自信を持ってお勧めします。