仕事内容

SaaSの現役プロマネが解説するプロダクトマネージャー(PdM)の仕事内容とは?

私は普段SaaSプロダクトのプロマネ(PdM)として勤務してます。

何してるポジションなのかよく分からないとの意見をよく聞くので今回は普段私が行っている業務についてご紹介します。

一言で言うと開発すべき機能を決めるのが仕事

プロマネの業務内容や業務範囲は会社によって違うとの話をよく聞きますのであくまで私が担当している仕事についての話になりますが、私の仕事を一言で言えば「今後開発すべき機能を決めること」です。(ちょっと表面的な表現ですが)

そのために開発する案件のアイデアを出し、その機能を開発することで取れる市場を調査によって検証し、必要な使用を決め、開発コストを試算し、そうした情報を整理して上の人からその機能を開発する承認をもらう、という感じです。

それぞれもう少しだけ詳しくご説明していきます。

ステップ1:開発する案件のアイデア出し

まずはどんな開発を入れるのかのアイデアを出していきます。

開発案を出すときには新機能に限らず既存機能の改修なども含めて検討します。

どこから開発のアイデアを拾うかというと、例えばカスタマーサクセスが顧客から改善要望として集めた意見を参考にしたり、営業が商談時に見込み客のニーズを踏まえて「こんな機能があったら受注増やせるのに」という声を参考にしてみたり、あるいは主要なメンバーを集めてざっくばらんにブレストしてアイデアを出し合ってみたり、競合の機能を参考に自社でも必要な機能がないか調べてみたり、という感じでいろんなルートで情報を集めてきます。

ステップ2:事業影響を試算する

開発する案件候補についてはその開発が実現できることでどんな事業影響があるのかを試算していきます。

事業影響と言っているのは例えば新規の受注が増えたり解約の防止につながったり、アップセルが実現して単価が上がったりして売上が伸びる事を指しています。

そのほかにもカスタマーサクセスの負担を減らすとか、開発効率を上げるといった観点でも影響を考えることがあります。

事業影響を試算するためには根拠となるデータを集めるのですが、これもいろんなデータを集めて複合的に試算結果の確からしさを補強していきます。

データとしては、例えばその機能はどんな属性の企業で求められているのか仮説を持ち、その仮説が正しいかどうか実際にCLや見込み顧客に対して直接話を聞いてみたり、外部のリサーチ会社を使ってアンケートに回答してもらってニーズの強さやニーズのある企業属性を調べたりしていきます。

ニーズのある企業の属性が分かったら、市場全体でそうした企業はどれくらいありそうかを計算し、その中で実際に自社を選んでもらえる割合はどれくらいか、解約率や受注単価はどうか、といった数字も過去の実績や調査で明らかになったデータをもとに当てはめていき、「リリースしたら◯年後にはこれくらい売り上げが増える」みたいな見込み売上の値を精緻化していきます。

TAMとかSAMとかSOMとか。

ステップ:必要な仕様を決める

見立てた市場を取るためには具体的にどんな仕様にするのかについてもエンジニアやカスタマーサクセスなどと相談しながら固めていきます。

エンジニア目線では「この要件をなくせば開発コストが大きく削減できそう」みたいな観点で意見をもらったり、カスタマーサクセス目線では「その要件をなくしても顧客は問題なく使えそうか」みたいな観点で開発要件を決めていきます。

ステップ4:開発コストを出す

仕様が決まったらそれにかかる開発コストを試算します。

と言っても私が開発コストを出すわけではなく開発側にどれくらいコストがかかるのかを試算してもらう依頼をするという感じです。

どれくらい開発コストがかかるのかはその機能の仕様に大きく影響されるため、先ほどの仕様極めが重要です。

開発コストがたくさんかかってしまう場合には見込める売り上げとのバランス次第で開発しない方が良い、という判断になってしまうケースもあります。

ステップ5:承認をもらう

プロマネとしてその機能を開発するコストや期待できる売上などを踏まえた上でこの機能を開発した方が良いよね、と言う判断になったらそれを資料にまとめて上の人に開発を進める承認をもらいます。

基本的には開発コストが大きいほど承認が降りるハードルは高くなるので見込める成果がきちんと出るのかどうかを事前のリサーチでしっかりと固めておくことが重要です。

逆に開発コストがとても小さい案件だったりプロダクトの障害が起きたときの対応といった場合にはスピード重視でちゃんとした資料なしでも承認をもらいやすかったりします。

まとめ

以上、プロマネの業務内容をご紹介しました。

今回ご紹介したのは私が行っている業務を整理したものですが、実際にはもっと他の業務を行っているプロマネもいるかと思いますので参考程度に捉えていただければ幸いです。

私がプロマネの仕事を経験して感じたやりがいや苦労についても別の記事でまとめてますのでよかったら読んでみてください。

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