海外勤務

海外勤務でぶつかるガラスの天井問題とは?

たかし

海外転職をした人が直面する問題の一つにガラスの天井と言われるものがあるんだ

ステファニー

何なの?それ?

たかし

成果や実力があっても「これ以上は上に上がれない」という見えない壁のことだよ

ステファニー

なんでそんな壁があるのかしら?

たかし

簡単に言うと現地法人の上層部は駐在員が担うのが慣例となっているからかな。詳しく説明していくね。

海外で働く中で出世の壁となるのがガラスの天井問題です。

グラスシーリング(Glass Cealing)とも呼ばれており、その存在が一定以上の役職に上がるのを妨げています。

今回はそんなガラスの天井問題について紹介していきます。

ガラスの天井が存在する理由

ガラスの天井問題は現地採用で働く人に起こる問題です。

それは現地の人であっても日本人であっても同様です。

例えばどれだけ実力があり成果を出していても部長までしか昇進できず、役員になることはできないようなケースがあります。

なぜこのような事態が起こるかというと、駐在員が役員のポジションを占めているからです。

日本から海外駐在員を派遣して現地法人のマネジメントを任せるのが多くの企業のスタンダードとなっており、今の駐在員の任期が終わったとしても、新たな駐在員が代わりに派遣されるため、役員を駐在員が担う構図は変わりません。

駐在員が本国から派遣され続ける限りは、現地採用者がその上に立つことはほとんど不可能です。

駐在員は企業にとってコストがかかる反面、本社の立場で働いてくれるありがたい存在なのです。

基本的に本社と海外子会社は互いに協力的な関係性を築けないことが多く、本社からすれば「海外子会社は本社から見えづらいしよく分からない。信用できない。」というように見えています。

一方、海外子会社からすれば「本社はいつも本社のやり方を押し付けてくるばかりでこっちの状況を知ろうともしない。」という不満を抱えながら互いに反発しあっているケースが多いのです。

本社からすれば「現地法人に任せてしまうと何をするか分からない。本社の命令も聞かなくなるかも。」という懸念があるんですね。

そこで、「本社から駐在員を派遣して現地法人をマネジメントさせよう」となるわけです。

これがガラスの天井問題が起きる背景です。

ガラスの天井を避ける方法

ガラスの天井問題を避ける方法としては、すでに現地化が進んでいる現地法人に転職するという方法があります。

現地化というのは駐在員の派遣数を減らして、現地の人など現地採用者の比率が高まってきている状態の企業のこと。

企業が海外でビジネスをする場合、最初は同じ国に進出している日系企業向けのビジネスを展開することが多いものの、徐々に現地マーケットの需要も取り込んでいく方向にシフトしていきます。

その過程で、その国について深く知らない日本人駐在員よりも、現地事情に精通している現地採用者の重要性が高まっていくのです。

その結果、企業によっては駐在員をゼロもしくは最低限の数に留め、企業運営を現地採用者が中心に行うケースも出てくるのです。

なので、もし現地採用の立場で出世していくのであれば、すでに現地化が進んでいる企業か、現地化を進めて行こうとしている企業を選択するのが賢明と言えるでしょう。

まとめ

ガラスの天井は現地採用者にとってはネガティブな要素です。

それを回避するには駐在員を減らして現地採用者に経営を任せていく方針の企業を選んで転職するようにしましょう。