自己分析・企業研究

社内にロールモデルがいない悩みとの向き合い方

ロールモデルとは

ロールモデルとは、人が将来的なキャリアを考える上で参考になる人物とその人物の歩んだキャリアのことを指します。

わかりやすく言えば「目指すキャリアの形」とか「(キャリアの上で)憧れの人」のことです。

例えばメジャーで活躍したイチローをロールモデルにしている高校球児やプロ野球選手も多いはず。

ロールモデルのイメージ

ロールモデルがいることで、キャリアを作っていく際の不安を減らしたり、より具体的に自分の将来をイメージしたりできるようになります。

例えば、社内に営業をしている人が自分しかいなければ、営業をこのまま続けたらどんなキャリアが待っているのかが想像しにくいと思います。

その状態ではずっとその会社で働いていくことに不安を感じたりするかもしれません。

しかし、もし社内で自分より先に営業として入社している先輩がいて、その人が5年営業をした後に企画部門に異動した事例があれば、その先輩のことをロールモデルとして「自分も後数年頑張って他の部署に異動しよう」などと考えることができるようになります。

近年では従来のメンバーシップ型の労使関係からジョブ型へと移行する企業も増えてきているように、人と仕事の関係が変わりつつあります。

以前にも増して個人が主体的に自分のキャリアを考えなければならない時代になってきていることから、こうしたロールモデルという考え方や存在は注目されるようになってきています。

会社にロールモデルがいないと悩む人が多い

最近、このロールモデルが社内にいないことに悩む人が多くなってきています。

特にロールモデルが見つからないという悩みを抱えているのが「ベンチャー企業で働く人」と「女性」です。

会社内でロールモデルを見つけにくいのがベンチャー勤務者と女性

ロールモデルは社内でのキャリア形成の実績がなければ存在しません。

なので、まずベンチャー企業の場合だと設立から日も浅く、決まったキャリアパスもなければ、長くその会社で働いた人もいません。

その結果、「私はこの会社でこの人のようなキャリアを作りたい」というロールモデルを見つけることが困難になります。

そして女性の場合だとベンチャー企業に関わらず多くの企業でロールモデルを見つけられず悩むことが多いのが特徴です。

最近でこそポジティブアクションが推進され、転職や管理職への昇進や昇格もしやすくなりましたが、それでも産休や育休を取得した後に職場復帰してバリバリキャリアを作っていっている女性が同じ職場にいるケースはまだまだ多くないのが現状です。

また、最近では転職が当たり前になり人の流動性も増してきていることもあり、ずっと同じ会社でキャリアを作る人の割合が減少してきています。

その結果、新卒で入社したり中途で転職した場合にその会社でキャリアを積むことによる目指せる姿がイメージしづらくなっているという事情もあり、ロールモデルが見つからない問題はベンチャー勤務者や女性だけの問題ではありません。

会社内にロールモデルがいない場合どうするか?

もし会社の中でロールモデルとなる人を見つけられない場合にはどうすれば良いのでしょうか?

その対処法というか考え方について紹介します。

ロールモデルを社外で探す/見つける

ロールモデルが社内にいなければ社外に探すのが最も手っ取り早い方法です。

自分の今行っている仕事から大きく飛躍した人を探しても良いですし、自分がなりたい職業を実現できている人を基準に考えても良いでしょう。

最近ではTwitterなどを使えば昔に比べて遥かに社外の人との接点や情報は得やすくなっていることから、必ずしもロールモデルを社内で見つける必要性はありません。

ロールモデルを探さない(頼らない)

ロールモデルを探すことをやめてしまうのもありだと思います。

人と同じ道を歩まず自分で切り開く方が市場価値の高い人材になれることもあるからです。

言い換えればキャリアとは希少性が武器になったりするので、ロールモデルのいない道をあえて選ぶというのもキャリア戦略となり得るのです。

例えば、Youtuberとして年収が億を超えるような人たちがいますが、彼らは他の人がまだYoutuberなどという職業が存在しない頃から動画を投稿してきた人たちですし、彼らにロールモデルは存在しません。(単に”憧れの人”はいたかもしれませんが、少なくともYoutuberという仕事として参考にできる人など誰もいない状況で成功しています。)

その成功したYoutuberが今の若いYoutuberたちのロールモデルとなっているわけですが、目指す人が多くなった結果、ほとんどのYoutuberは稼げていません。

それはそのキャリアを目指す人が増えて需要と供給のバランスが崩れてしまったからだと言えます。

つまり、多くの人が歩む道はそれだけ競争が激しくなるので、あえて誰も歩かない道を選ぶということも時に重要になるということです。

また、最近では副業や兼業なども当たり前になりつつあるなど、キャリアはますます多様化してきています。

その中で、絶対ロールモデルを見つけなくてはならないと不安になる必要はなく、自分でキャリアを作っていくくらいの気持ちでいた方が楽かもしれません。

自分が他の人のロールモデルになる

自分でキャリアを切り開いていくことは、自分自身が他の人のロールモデルになれるということでもあります。

先の例で言えば、ヒカキンなどのYoutuberはロールモデルなしに道を切り開いていきました。そしてその結果、多くの人のロールモデルになっているわけです。

人のロールモデルに自分がなれたなら、キャリアとして成功しているといって良いのではないでしょうか。

ロールモデルを探すのではなく、むしろ自分自身が他の人のロールモデルになることを目指してみるのもキャリア戦略としてはありだと思います。

まとめ

ロールモデルとはキャリアの面での憧れの人とか目指したい人(その人のキャリア)のことです。

ベンチャーで働く人や女性は特にロールモデルを社内で見つけることが難しいという問題に直面しているものの、転職が当たり前となった今、それは誰にでも起こりうる問題です。

ただ、ロールモデルが見つからなくてもそれだけでキャリアがダメになるわけではありません。

ロールモデルを無理に見つける必要はなく、逆に人のロールモデルになれるように自分自身で道を切り開いていくという選択も考えて良いのではないでしょうか。