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社費留学した人の転職事情とは?自腹に切り替えて転職する人も多い

大手企業だと社費留学の制度がある場合があります。

社費留学の場合、留学から一定期間内に退職した場合にお金を返さなくてはならないようになっているケースが多いですが、それでもなお社費留学をした人は自腹で払ってでも転職をしていくことも多いです。

今回は社費留学と転職について解説していきます。

社費留学とは

社費留学とは会社がお金を負担してくれて海外の大学(院)に留学することを言います。

基本的に海外の大学院に通おうとすると高額な学費に加えて現地での生活費なども発生するので、一年間で数百万円〜1000万円近くかかってしまいますが、それが会社の経費でまかなえるわけです。

総合商社など、一部の限られた大手企業でしかそうした制度はありませんし、制度があったとしても選ばれるのはさらに限られた人のみ

社費留学の多くが海外の名門大学のMBAを取得させることを目的にしています。

メーカーの場合には理系領域を学ばせることもなくはないのですが、基本的には経営学修士を目指すのが一般的。

社会学や法学など他の文系の学問領域が対象となることはまずありません。

企業にとっては、将来の幹部候補の育成を目的にしており、そのためにはMBAが有効と判断しているからでしょう。

会社のお金で勉強できるなんて羨ましい限りですが、喜んでばかりもいられません。

社費留学制度を持つ殆どの企業が、ある制約を設けているからです。

それが返金規定。

会社にとってはせっかくお金を払って成長させた人材がすぐに退職してしまってはお金の払い損になってしまいます。

そこで、企業は社費留学に行ってから5年以内に退職した場合は留学に際して企業が負担した金額の返還を求める規定を作っています。(期間については5年の場合もあれば10年の場合もあるかもしれません。)

・超大手企業を中心に会社持ちで海外に留学できる制度が社費留学

・社費留学で多いのがMBA

・留学から一定期間内での退職は返金対象となることが多い

転職市場でのMBAの価値

転職市場でMBAはあまり評価が高い資格ではありません。

MBAを持っているからといって、それだけでどこへでも転職できるというものではないので、市場価値を高めるためにMBAを取るのはあまりオススメできません。

MBAは経営学の修士ですが、別に経営学を学んだからといってビジネスのスキルが高い証明にはならないからです。

新卒の就職活動の時に置き換えてみても、「無名の大学で経営学を学びました」という人材よりも「東京大学で経済学を学びました」という人材の方が遥かに評価されます。

要は学問の領域よりも大学のレベルの方が評価される傾向があるというわけです。

それをMBAに置き換えたとき、世の中に存在するMBAのほとんどが無名の大学に分類されます。

例えば国内で言えばグロービスや慶應大学のMBAが有名ですが、それはあくまでも国内での知名度の話であって世界的に知名度が高いわけではありません。

国内レベルのMBAでは転職活動ではほぼ使えません。(自己啓発目的で勉強したい人であれば全然問題ありません)

もし転職活動でのメリットを考えるなら、世界で最高クラスの大学でMBAをとる必要が出てきます。

この考えを社費留学について当てはめてみると、社費留学で派遣される大学はどこも超名門。

つまり、そこでMBAを取得することでキャリアの選択肢を広げてくれることが多いんです。

正確には社費留学だから名門大学に行けるというよりも、元々高学歴の人が超名門企業に入社し、それだけ優秀な人だからこそ超名門の大学院に合格できる、というだけの話だったりしますが。。

事情はさておき、例えばアイビーリーグクラス(ハーバード大など)の超名門大学でMBAを取れたと仮定して、それが転職市場でどう評価されるのかについて少し触れます。

超名門大学でMBAを取得した場合、その後のキャリアとしては日系企業の超大手もしくは外資系企業の超大手に行くことができます。(逆に、中小企業に転職をする場合には世界的なMBAだろうとも役には立ちません。)

社費留学制度がある時点で日系の超大手に勤めている人だとは思いますので、広がりとしては外資の超大手でのキャリアの方がメリットとしてイメージしやすいかもしれませんね。

外資の超大手はそこから事業会社とコンサルティングファームとに分けることができます。

例えばアクセンチュアやデロイト、PWC、KPMGといった大手コンサルはそこまでの学歴がなくとも入社することができますが、マッキンゼーやBCGレベルになると社費留学のMBAがあると有利になってきます。

また、コンサル以外で言えば例えばGE(ゼネラルエレクトリック)のような外資系の超大手メーカーなどに幹部候補として転職することができるでしょう。

GEも入社するだけなら超高学歴でなくともできますが、社費留学で培った高い英語力とMBAがあれば日本法人の枠を超えてキャリアアップしていくことも可能です。

例えば、日本法人のマネージャークラスで入社し、地域統括拠点へ異動、その後グローバルヘッドクオーターであるアメリカ本社の幹部へ、というようなキャリアを目指せます。

・基本的にMBAは転職市場で評価されにくい

・社費留学先が超名門ならキャリアの選択肢は広がっていく

自腹でも転職を選ぶ理由

社費留学してすぐに転職してしまうと留学費用が自腹になるという制約があるにもかかわらず、実は自腹で払ってでもすぐに転職をする人は結構いるんです。

一番理由として多いのが自身のキャリアップのため。

社費留学で派遣される大学には他の国からも超優秀層が派遣されてきています。

彼らと同じ環境で学ぶことが刺激となり、自分のこれまでの仕事や今の会社が物足りなく感じてしまったり、日系企業に嫌気がさして外資系企業へのキャリアチェンジを希望するケースが多くあります。

自分のキャリアに残された貴重な時間を有意義に使うことを重視し、社費留学のお金を支払うという決断をするわけですね。

まとめ

社費留学は海外の超名門大学で学べる貴重な機会。

留学から一定期間内は退職すれば自腹という制約があるにもかかわらず、実際には転職を選ぶ人も多くいます。

もし社費留学できる機会があれば、ぜひその後のキャリアについても考えてみてください。

・社費留学は5年縛りなど制約があるのが普通

・自腹覚悟で転職する人も多い

・転職する理由はキャリアの停滞感