・スキルアップって何をすれば良いの?
・スキルアップのメリットとデメリットって何?
こんな疑問にお答えしていきます。
私は転職エージェントに勤務していますが、その経験から見てスキルアップすることは心身ともに豊かな生活を実現する上でとても重要なことです。
詳しく解説していきますね。
スキルアップが今必要な理由とは
スキルアップが重要だというのは昔からずっと言われ続けていることだと思います。
その中でも、今後は以下のような時代背景からますますスキルアップする必要性が高まると考えています。
・技術革新によって今ある仕事はどんどん失われていく
・副業や兼業が盛んになる=企業の人材活用の選択肢が増えることで正社員の雇用の安定性が失われていく
・コロナを機にオフィスで働く必然性が見直された結果、企業は住んでいる場所の制約を受けずに世界中の労働者の中から最適な人材を選べる時代になっていく
技術革新によってこれまでの仕事が自動化されたり新たなサービスによってどんどん取って替わっていく場合、従来の仕事しかできない人は不要になります。
また、ここ数年で随分と副業や兼業というワークスタイルを認める企業が増えてきました。
これは見方を変えると副業や兼業をしている人材のチカラを活用する企業が増えてきているということも意味します。
これまでは人の手が必要な場合、正社員で採用しないといけなかったですよね。
それが、今は副業や兼業など正社員よりも安いコストで専門家の力を借りることができるようになってきているわけです。
それは本来、人材派遣という形式でも問題ないはずです。
しかし、今の日本において人材派遣はアシスタント的な仕事をしたい人がする仕事という位置づけが確立されてしまっています。
今後はその分野のプロフェッショナルの知見を副業や兼業としてスポット活用する企業が増えていくことでしょう。
そして、それは副業・兼業の地位を高めると同時に相対的に正社員の安定性や権威性が下がっていくことを意味すると思っています。
このような、不確実性の高い状況を指してVUCAと呼ぶことがあります。
VUCAとはVolatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧さ)の頭文字をとった略語です。
このVUCAの時代を生き抜く上で、個人のスキルアップは必須と言えます。
スキルアップするメリット
スキルアップすることには大きく分けて以下のようなメリットがあります。
・市場価値が上がり仕事に困らなくなり精神が安定する
・給料や年収が上がり生活が豊かになる
・収入を維持したまま労働時間を減らせてプライベートを充実させることができる
市場価値が上がり仕事に困らなくなる
スキルアップすると市場価値が上がります。
市場価値が上がるというのはより多くの企業から必要とされたり、より強く企業から必要とされるということであり、簡単に言えば仕事に困ることはなくなります。
身につけるスキルをよほど大きく間違えない限りは、例え今いる会社が倒産しようとも他の会社へ移れます。
今いる会社に依存しないという言い方もできますね。
そうなったら精神的にはかなり楽になるはずです。
市場価値については以下の記事で詳しく解説しています。


毎月の給料や年収が上がる
続いては待遇面です。
スキルアップすれば給料や年収を上げることができます。
スキルアップすることでより難易度の高い仕事をこなせるようになり、企業への貢献度が高くなっていくからです。
同じ企業内で細々とした昇給を狙う必要すらなく、スキルアップした後に転職すれば一気に年収を数百万円アップできる可能性もあります。

収入を維持したまま労働時間を減らせる
給料が上がるというのを違う見方をすれば、働き方を変えられるということでもあります。
スキルが上がったことで時給が2倍になれば、同じ年収を確保するのに必要な労働時間は半分で済みます。
いきなり2倍というとハードル高そうですが、例えば今40時間分のみなし残業をもらっており、実際に40時間の残業をしている人がスキルアップによって残業をゼロにできれば、同じ給料をもらいながら労働時間を2割程度減らせるわけです。
そして、余裕ができた時間を使ってさらにスキルアップすればもっともっと時給を上げられますよね。
より自己実現に近づけるようになる
マズローという人は人間の欲求を5段階に分類しました。
まずは食べたいとか寝たいとか生きたいという欲求です。
で、それが満たされると人に認められたいという承認欲求につながっていき、最終的に最も高い次元の欲求が自己実現欲求とされています。
自己実現欲求は「自分の持つスキルを最大限に活かせていると実感できている状況」でこそ満たされます。
でも、ほとんどの人って今の職場でそれを実感できていないのではと思います。
転職相談に来られる人は自己実現に一歩でも近づきたいと言う気持ちの現れだと思っています。
生きていくためにやりたくもない仕事をしてお金を稼いでいる人が大半かもしれません。
少しマシになっても、「大企業で働いていて周囲から羨ましがられる自分」という承認欲求が満たせている程度でしょう。
本当に自分の強みやスキルを最大限に活かして生き生きと働けている人ってほとんどいないですよね。
でも、スキルアップをすればそれに一歩ずつ近づいていくことができます。
スキルアップすることで、安い給与で食べていくので精一杯と言う状況からは抜け出せます。
さらには周りから羨ましがられる会社に入って承認欲求を満たせます。
すでに承認欲求を満たせているような方でも、さらにスキルアップすることで社内外への発言権が増し、やりたくない仕事から解放され、自己実現への近づいて行くことができるわけです。
スキルアップするデメリット
スキルを活かせないストレスがある
スキルアップするデメリットを挙げるなら「出来ることが増えることで、そのスキルをフルに活かせない環境がストレスに感じるようになる」ということでしょうか。
例えば、英語を話せる人が英語を使わない環境で働いていると「せっかく努力して英語力を身につけたのに自分の強みを活かせていない」という不満を抱えることが多いです。
スキルアップすることで、そのスキルをフルに活かせる環境を選ばなければ逆にストレスに感じることはあり得ます。
出来ることが増えるほど、能力をフルに発揮できる環境を探す難易度も高くなります。
「英語を活かせる職場」を探すより、「英語とフランス語と韓国語のすべてを活かせる職場」を探す方が難しいはずです。
お金や時間を必要とする場合が多い
スキルアップには時間やお金が必要になるケースが多いです。
英語力を短期間で身につけようと思えば自己学習よりもプログリットのようなスクールに通う方がはるかに効率的です。
逆に、お金を一切使わずに勉強することも可能ですがその場合には習得できるまでに時間がかかることになります。
時間かお金(あるいはその両方)を必要とするので、一時的には「スキルアップを目指さない時」と比べるとハードな生活を強いられることになると思います。
企業が求めないスキルを身につけても評価されない
どれだけお金と時間をかけたとしても、そのスキルの需要がなければ転職で有利になったり給料が上がることはありません。
例えば民間の資格のほとんどはその資格を取得してもキャリアアップにはつながりません。
弁護士や医師など、その資格がなければその仕事ができない(=いわゆる独占資格)というのなら別ですが、そうでない資格を企業が評価することはほぼあり得ません。
また、今は需要があるスキルだったとしても将来的に不要になるスキルがあったとすると、そのスキルを身につけるのに費やした時間とお金は無駄になってしまいます。
時間をかけすぎると市場価値はむしろ下がってしまう
市場価値を決めるのはスキルだけではありません。
年齢も重要な要素となります。
つまり、スキルを身につける際には「スキルと年齢のバランス」を意識しなければならないのです。
例えば、頑張れば1年で身につけられるスキルがあったとして、そのスキルの習得に10年も費やしていては市場価値は下がってしまいます。
スキルアップは時間との勝負でもあるので、「自分の年齢ならどんなスキルがどのレベルで必要か?」という点を考えて自己投資するようにしましょう。