・高い給料とやりがいをどちらも実現させる方法ってないの?
・どんな経験やキャリアを積めば市場価値は上がるの?
こんな疑問や悩みにお答えしていきます。
転職エージェントに勤務している経験から言えば、市場価値の高い人材はキャリアは高い年収とやりがいのある仕事を両立させています。
そして、市場価値の高い人材になるポイントは「需要の高い領域で」「企業に利益をもたらすor損失を回避できる」人になることです。
詳しく解説していきますね。
キャリアの市場価値が高いとはどういうことか?
キャリアの市場価値が高いとは、転職市場での評価が上がり、より良い条件で転職できる状態のことをさします。
簡単に言えば企業を選べる立場になるわけです。
選べる立場になることで具体的には以下のようなメリットがあります。
・より高い年収でオファーをもらえるようになる
・よりやりがいのある仕事をできるようになる
・より柔軟な働き方ができるようになる
順番に説明していきます。
・より高い年収でオファーをもらえるようになる
これは企業の立場になって考えると分かりやすいです。
どうしても欲しい人材の現在の年収が500万円だったとしたらそれより高い年収でオファーを出しますよね?
もし他の会社が550万円でオファーを出しているのなら600万円で出すことも検討するでしょうし、他社が650万円なら700万円でオファーを出すでしょう。
市場価値が高い人材は転職することで自社で昇給していくよりも格段に早いペースで年収を上げることができるんです。
転職で年収を上げる法則について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

・よりやりがいのある仕事をできるようになる
選べる立場であればやりたくない仕事はやらなくて済むようになります。
例えば、プレイングよりマネジメントに特化したキャリアを歩みたいのなら、そうした求人に応募すればいいだけの話です。
やりたくない仕事をやらなくて良くなるというのは仕事の充実感をかなり高めてくれるので、それだけでも市場価値を上げる重要性がわかります。
・より柔軟な働き方ができるようになる
これは転職前と転職後でそれぞれ関係する話ですが、リモートワークや時短勤務、副業や兼業など、最近は様々な働き方が注目を浴びていますよね。
そうした先進的な働き方を全ての企業が取り入れているわけではありませんので、もし柔軟な働き方をしたい場合には転職段階で適切な企業を選べば良いのです。
なんと言っても選ぶ立場なんですから。
また、仮にそうした制度がない企業であったとしても、市場価値の高い人材であれば企業も辞められたくないので特例として認めてもらうことだってできる可能性があります。
実際、転職エージェントで企業の採用支援をしていると、他の従業員には内緒で特定の従業員にだけ適用されている手当やルールがあったりするのを見聞きします。

現在の市場価値を調べるには
そもそも今の自分の市場価値ってどれくらいか知っていますか?
自分の市場価値を調べる方法はいくつかありますので、気になる方はこちら↓の記事をご覧ください。

市場価値を高める大原則
市場価値を高めるにはどうすればいいのでしょうか?
基本的な考え方をまず一通りご紹介しておきます。
・他の人と差別化して希少な存在となること
・スキルや経験に対する需要が多いこと
・伸びているフィールドに身を置くこと
・企業に利益をもたらすor損失を防ぐ存在であること
それぞれ順番に見ていきますね。
スキルや経験に対する需要が多いこと
まず第一の原則はそのスキルや経験に対する需要が多いことです。
どれだけ高度な専門性を身につけたところで、その専門性を必要とする人や企業がいなければ市場価値はゼロです。
いかに人や企業から求められるスキルや経験を持っているかが市場価値を決める一つの尺度となります。
「需要が多い」と書きましたが、必ずしも「多い」必要はなく、「少数からとても強く求められる」のでも構いません。
需要が「多く」「強い」領域だと最強ですね。
他の人と差別化して希少な存在となること
続いての原則は差別化です。
どれだけ需要があっても、自分以外にその需要を満たせる人がたくさんいるのなら市場価値は低いです。
それは替えが効く存在だからです。
言い方を変えれば、替えの効かない存在になることができれば、市場価値は爆発的に高まります。
「独自のポジショニングを確立する」という言い方をする人もいますね。
「英語ができる」人はたくさんいますが、「英語もロシア語もできる」となるとグッと数が減るでしょう。
「英語もロシア語もできて俳句の腕も一流」になると世界で唯一の存在になるかもしれません。
そんな感じで、一つ一つは差別化要因にならなくても、いくつかの要素を掛け合わせることで希少な存在になることができます。
伸びていくフィールドに身を置くこと
すでに成熟している領域ではなくこれから伸びていくフィールドに身を置くことを意識しましょう。
なぜなら、これから伸びていくフィールドは需要が高まるのに加えて現時点では少ないので、希少性も高まるからです。
伸び代の大きい領域に身を置くことは、先ほど説明した需要と希少性をどちらの条件も満たすことにつながるわけですね。
ちなみに伸びているフィールドとは、例えば業界や職種の軸で考えるのがわかりやすいと思います。
洗濯機が日本で今の2倍以上売れる世の中になるとは考えにくいですよね?それはつまり家電業界は成熟してしまっているということです。
しかし、そんな家電業界の中でも自社の業務改善や商品への応用を目的とした「AI活用」に関連するスキルの需要はものすごく強かったりします。
なので業界✖️仕事の軸で見ていくと良いと思います。
企業に利益をもたらすor損失を防ぐ存在であること
原則の最後は企業に利益をもたらす(または損失を防ぐ)存在であること。
企業で働く人は基本的に貢献していますが、どの程度貢献できるのかによって市場価値は変わってきます。
例えば、同じ営業でも1億円の売り上げを作れる人と2億円の売り上げを作れる人とでは市場価値は異なります。
まあ、営業の場合はわかりやすいですが他の職種だとどうでしょうか?
例えば経理の貢献度の高さを見積もるのは難しいですよね。
経理はどちらかというと売り手市場なのでそのままでも市場価値は高めと言えますが、英語のできる経理は格段に市場価値が上がります。
英語ができる場合、例えば海外拠点の経理機能をマネジメントすることができます。
これはものすごい付加価値です。
なぜなら、海外では日本よりも経理担当者による不正が頻繁に行われており、そうした不正を予防したり早期発見することができるからです。
海外拠点だろうと本社と連結させていた場合、上場会社であれば責任を厳しく追及されます。
そうなると株価は暴落し本業への影響も出てくるでしょう。
経理という経験に英語力が追加されるだけで、そうした企業の大ダメージを防ぐことができるわけです。
このように、企業への利益貢献や損失回避の貢献度が高い仕事ができる人材ほど市場価値も高くなるんです。
市場価値アップにつながる経験とスキル
先ほどは市場価値が高い状態を概念的に説明しました。
でもそれだけではイメージできない部分もあると思うので、より具体的に、企業から評価される(=市場価値の高い)スキルについて説明していきますね。
と言っても、これは一つしか正解がないわけではないので、転職市場全体の流れとして企業から評価されやすいスキルに絞って取り上げていきます。
語学力
市場価値を高める大原則は「希少な存在となること」だとお伝えしましたが、今の日本でそれを手っ取り早く実現する方法の一つが語学力を身につけることです。
語学力と言っても、世界には数えきれない外国語が存在するわけですが、需要が多い順番に並べるとすると以下のようなイメージとなります。
英語>中国語>タイ語、インドネシア語、ベトナム語、スペイン語、フランス語>その他の言語
どの国でも多国籍企業のビジネスで使われる言語は英語という場合がほとんどですので、英語ができると選択肢はかなり広がってきます。
また、中国語についても、中国は多くの日系企業にとって海外事業の柱となる国ですので需要は高いです。
続いて、タイ語、インドネシア語、ベトナム後、スペイン語、フランス語あたりは日系企業の進出が中国に続いて盛んなエリアで話されている言語なので需要があります。
学ぶべき外国語を迷っている方は以下の記事も参考にしてみてください。

MBA(世界トップクラス限定)
個人的にはあまりお勧めしませんが、MBAを取ることで学歴に箔を付けるという選択肢もあります。
お勧めしない理由は、現実的ではないからです。
最近の転職市場はますます実力社会となってきており、学歴は以前ほど重視されなくなりつつあります。
確かに、アイビーリーグ(ハーバード大学やプリンストン大学などアメリカの名門大学のグループ)クラスの大学でMBAをとることができれば今のご時世でも引く手数多でしょう。
しかし、私も含めてほとんどの人はそんな大学でMBAを取ることができません。
なぜなら、世界最高峰の大学でMBAを取るためには、トップクラスの大学を出て、世界トップクラスの大企業での勤務経験が必要とされる場合が多いからです。
私の様に名も無い大学を出て、名も無い企業に勤めた経験しか持たない圧倒的多数の人にとっては選択肢に入ってきませんので、お勧めできないのです。
私もMBAを検討したことがあるのですが、「良い会社で働くために学歴を身につけたいのに、良い学歴を身につけるために大手で働いていないといけないとは、、」って絶望しました。
そんな人はMBAに行かずとも元々の市場価値が極めて高い人たちなので、トップ層がさらにトップを目指すための手段にしかなりません。
かと言って、グロービスくらいでは学歴としての価値を高めるには弱いです。
グロービスに通うことを否定するわけではなく、あくまで知識やスキルを習得する場としては有益ですが、学歴で有利にするための場としてはそこまでメリットがないという意味です。
MBAについては以下の記事でも解説しています。

プログラミングスキル
プログラミングスキルを持った人材は世界的にも慢性的に不足しているので、市場価値を高める上ではもってこいのスキルです。
プログラミングスキルを身につけるとプログラマーにしかなれないのでは?と心配する方もいるかもしれませんが全くそんなことありません。
営業にせよSaaS企業によくあるカスタマーサクセスにせよ、技術的なことがわかっている人ほど貴重な戦力としてみなされます。
文系職種の人がプログラミングを身につけることで「技術もわかる○○」というポジショニングを取ることができ、それは転職市場ではかなり強いアドバンテージとなります。
プログラミングについては↓の記事でも解説しています。

0→1(ゼロイチ)を経験する
企業が新たなサービスや企画を模索しているときに必要とされる人材が0→1(ゼロイチ)を経験したことのある人材です。
すでに有名な商品を売ることと、そもそも何もないところから開発して展開していくスキルは全く別物ですし、企業にとってもノウハウが足りない分野だったりします。
ゼロイチの経験がある人は職歴書に盛り込みましょう。
まだそうした経験がない人であれば、社内で新たなプロジェクトが始まる際には自ら手を上げて参加するようにしてみてください。
1→10(イチジュウ)を経験する
先ほどはゼロイチでしたが1→10(イチジュウ)も評価される経験の一つです。
立ち上げが終わったら次はグロース段階に入りますので、そこで重宝される経験です。
営業であればいかに新規の開拓で実績を上げたのか、マーケティングであればいかに認知を拡大させ見込み客を獲得できたのか、などポジションによって担う役割は異なります。
特に上場を目指す従業員30名〜50名くらいの規模のベンチャー企業で需要が強い経験です。
人材のマネジメント(管理職)を経験する
できるだけ早めに管理職に上がっておくのも市場価値を高める上では有効です。
組織が大きくなる過程では必ずどの企業も管理職クラスが不足します。
超大手企業を除いては管理職クラスでもプレイング(実務レベル)もしなければならないことが多いので、プレイングマネージャーとしての経験があるのが望ましいです。
メンバーマネジメント経験があると、オファーをもらえるポジションの年収水準やミッションの大きさも比例して魅力的になっていくことが多いです。
望んだからと言って来月から管理職に上がれるという人はほとんどいないと思いますので、まずは上司に「管理職にできるだけ早く上がりたい」と希望を伝えた上で、そのために何が足りないのかアドバイスをもらってみてください。
また、今の会社で管理職になれるまでに5年以上かかるようなら転職しても良いと思います。
基本的には管理職クラスの求人は管理職経験のある人しか合格しませんが、管理職前提での募集を狙って、早期に上に上がれる環境に身を移すことは検討しても良いでしょう。
企業から声がかかる環境づくりも大事
仕事を通じて社外でも知られる存在になっておく
どれだけスキルを身につけても、どれだけ経験を積んでもそれが他の企業に認知されなければ評価はしてもらえません。
他の企業から自分の存在を知ってもらうことで、直接声をかけてもらえるチャンスを増やすことができます。
例えば自分の担当業務の範囲で他社の製品を導入したのであれば、その会社の「ユーザーの声」をのせてもらうことだけでも多少の認知は獲得できます。
そうした社外への発信を多少なりとも強化しておくことが大事です。
いくつかの転職エージェントに常に登録しておく
直接企業から声がかかるのは本当に近い同業他社であることが多く、他の業界への転職を希望する場合には転職エージェントを使うのが王道です。
自分の経験や希望に合わせていくつかの転職エージェントに登録しておくことで、良い求人が出るタイミングを見逃さないようにしましょう。
オススメの転職エージェントは以下の記事で紹介しています。

まとめ
市場価値を高めることは、選ぶ側に回るということです。
高い給料もやりがいのある仕事も諦めることなく両立させるために、自分の市場価値を高めていきましょう!
