海外勤務

就労ビザ(労働許可証)って簡単に取れるの?難易度の目安になるポイント

たかし

海外で働くには就労ビザを取る必要があるよね

ステファニー

ええ。でも国によってどれくらい取りやすいか違うんでしょ?

たかし

そうなんだ。基本的には新興国ほどビザは取りやすいし、先進国ほど難しくなる

ステファニー

なんでそうなってるのかしら?

たかし

外国人を必要としている程度の差だね。詳しく説明していくよ

就労ビザの取りやすさは国によって大きく異なる

海外で働くためにはその国で働く許可が必要で、就労ビザとか労働許可証とかワークパーミットなどと呼ばれています。

同じ人でも申請する国によって審査が通る場合も落ちる場合もあり、国によって労働許可をもらう難易度は全然違ってきます。

審査項目となるのは主に年齢や学歴、収入、これまでの職務経歴、就労を希望する国で就く仕事(部署、職位、給料)など。

取得が難しい国ほど、これらの条件が厳しくなっていきます。

就労ビザが取得しやすいのは新興国、逆に難しいのは先進国です。

要は海外の持っているノウハウを自国に取り入れたいと考える国ほど外国人に対して働く許可を積極的に与えますし、すでに経済が発展している国では外国人に貴重な仕事の枠を取られるよりも自国民優先で考えてビザの発給要件を厳しくする傾向があるのです。

例えばベトナムとアメリカを比べると、ベトナムの方が格段にビザは取りやすいです。

世界中の国をここで比較していくのは難しいので、簡単にチェックできる項目をご紹介していきます。

就労ビザの取得難易度を左右する数字

経済成長率

ジェトロのホームページなどで経済成長率を調べてみましょう。

経済成長率が高い国ではまだまだ産業が発展途上であり、海外からの労働者を必要としています。

具体的には経済成長率が3%を超えているような国では、就労ビザが取りやすい可能性が高いです。

一人当たりGDP

経済成長率と合わせて一人当たりGDPという数字もチェックしておくと良いでしょう。

一人当たりGDPとは、ものすごくざっくりいうと、その国の経済がどれくらい発展しているかを表す数字です。

先ほどの経済成長率と違うのは、一人当たりGDPは「その国の経済がどれくらい豊かであるか」という現在地を示すということ。

就労ビザが取りやすいかどうかでいうと、一人当たりGDPは低すぎても高すぎてもよくなく、目安として「2000〜20000」程度であればビザが取得しやすい傾向があります。

要は、経済が未熟すぎてもダメで、逆に発展しすぎていてもダメだということです。

各国の一人当たりGDPはこちらからチェックできます

日系企業の進出数

日系企業がその国に何社進出しているのかも重要な数値です。

ビザ発給の条件に「雇用してくれる企業があること」があったりするので、現地で自分を雇ってくれる先があるかどうかは非常に重要です。

日本人が海外での就業を目指す際、最も内定をもらえる可能性が高いのが日系企業なので、多くの日系企業が進出している国の方が雇用先を見つけやすくなります。

目安としては1000社以上の企業が進出している国であれば、ある程度求人を見つけやすいと思います。

人口の多さ

人口の多さは短期的には関係ないのですが、中長期的には影響してくるので一応取り上げておきます。

先ほどの日系企業が進出する数に影響してくるのがこの人口の多さ。

企業からすれば現地にたくさん人がいなければ、現地でモノを作って販売しても大した売上にはなりません。

なので基本的には人口が多い国の方が日系企業も進出しやすいわけです。

目安としては人口が5000万人以上いる国であれば、日系企業も進出していく可能性があると考えて良いでしょう。

数字に現れないポイント

政権の方向性

数値に現れないポイントとして、政治の話もあります。

例えば政権交代など、国のトップが変わるとその国の運営方針も変わるため、数字の面では変わらなくてもm「外国人労働者の力を積極的に借りよう」から「自国民優先にしよう」へシフトする可能性などがあります。

アメリカのトランプ元大統領が大統領に就任したタイミングがまさにそうした変革期であり、一気に外国人の就業許可が取りづらくなったのでした。

日本の産業との相性

日系企業が進出しやすいか基準の一つになるのがその国が伸ばそうとしている産業が何か、ということ。

例えば日本は自動車産業が盛んであり、そうした産業を伸ばそうとする国であれば日本から積極的に企業や人材を誘致しようとするでしょう。

逆に日本にノウハウのない分野で産業を発展させようとする国ではあまり日系企業や日本人を受け入れるメリットがなく、ビザを取得することが難しくなります。

まとめ

就労ビザは海外で働くには避けては通れない問題です。

同じ国でも政治や経済の状況によってビザの取得難易度は大きく違ってきますので、自分が働きたい国の状況が今どうなっているのかについては逐一外務省やジェトロ、大使館などから情報を入手すると良いでしょう。