「海外で働いている人が会社を辞める理由ってなんなの?」
「駐在員じゃなくて現地採用者ならではの苦労ってどんなことがあるの?」
こんな疑問にお答えします。
私は転職エージェントの経験から数多くの現地採用者と関わってきました。
結論から言えば、現地採用者が辞める理由は大きく分けると家族の問題と待遇面の問題が多いです。
ここから詳しく解説していきますね。
結婚を機に日本に帰国したい
結婚は現地採用で働く人の転職のきっかけとしてよく出てくる問題です。
例えば、20代後半〜30代にかけて海外で働いていた方は現地で結婚相手を見つけることがあるため、結婚を機に生活基盤を見つめ直し日本に帰ってくるというパターンがあります。
具体的には、タイでタイ人の奥さんと結婚した場合、奥さんが日本での生活に憧れていたことからその夢を叶えてあげるために一緒に日本への移住を決めるケースがあったりします。
両親の介護が必要になり日本に帰国する必要が出てきた
50代に差し掛かると両親が高齢になり、介護のために帰国せざるを得なくなるケースもあります。
駐在員よりも長期間にわたって現地で働くことが多いことから、駐在員よりもそうしたライフイベントの影響を受けやすいのです。
このように、自分自身の問題とは別の理由で転職を考えることが出てきます。

駐在員とのキャリアや待遇のギャップへの嫌気
もう一つが駐在員として日本から派遣されている方とのギャップに嫌気がさすケースです。
主に年収とキャリアの2点で不満が出てくるケースが多く見られます。
年収が駐在員よりも安いことへの不満
駐在員と比べると、現地採用の場合には生活水準が低いことが多いです。
駐在員は会社負担で家賃の高い立派な家に住むことができ、日本での給与に加えて駐在手当が支給されることがあります。
その結果、駐在員と現地採用者とでは同じ仕事をしていても年収換算すると2〜3倍もの差がつくことがあるのです。
同じ仕事をしていながら年収に差がつく現実に嫌気がさしてしまうことは想像に難くありません。
とは言え、新興国の場合、現地採用でも現地の人よりははるかに高い給与をもらえるので、現地で働く人の一般的な生活水準と比べると全然良い生活ができます。


駐在員が上にいて昇進や昇格が出来ないことへの不満
続いてキャリアの違いです。
日本から派遣されてくる人材は日本で課長クラスでも海外拠点では役員や社長を務めるケースがあります。
その結果、会社の重要なポジションは全て駐在員が配置されてしまうことになり、現地採用者がどれだけ頑張ろうとも、上に上がることができません。
ガラスの天井とも呼ばれるキャリアの壁にぶつかることになるのです。
しかし、最近では優秀な人材のモチベーション維持のため、現地採用者を駐在員待遇へと切り替える事例も増えてきています。

雇用が不安定なことによる将来性不安
現地採用者は駐在員に比べると雇用が不安定な点でも不利を強いられています。
もしその国の拠点の業績が悪化し、拠点を閉めることになった場合、駐在員はあくまでも本社で雇用されているので本社に戻るだけですみます。
一方、現地採用者の場合には雇用元である現地法人がなくなってしまうので、そのまま退職せざるを得なくなるのです。
現地法人側の業績悪化や拠点撤退によって、働き口がなくなるリスクがある点は意識しておかなければなりません。
現地採用で働いたことを後悔している人は少ない
先ほど駐在員の待遇との違いから駐在員を目指すために退職するケースがあると言いました。
しかし、重要なのは彼らが決して海外で働いたことや現地採用で働いたこと自体を後悔しているわけではないということです。
海外に飛び出してみて初めて見えることがあり、そこから軌道修正をすることはあっても、「海外に行かなければよかった」とか「現地採用で働くんじゃなかった」みたいな悲観的な人は少ないです。
その意味では、もし海外で働こうかな?と迷われているのであれば、現地採用でもチャンスを掴みに行くべきだと思います。
駐在員と比べると待遇面では見劣りするとはいえ、海外勤務未経験の方はまずは現地採用からキャリアを積んでいくのはメリットも大きいです。

実際、現地採用で優秀であると認められると駐在員に切り替えられるケースも出てきています。
海外勤務にチャレンジしたい方はまず求人を探すことから。
こちらの記事↓で海外転職に合うエージェントについて解説していますので参考にしてみてください。
