海外で働きたいけど駐在員か現地採用のどっちを狙うべき?
駐在員のメリットや現地採用のメリットを知りたい。
いくつかの項目について駐在員と現地採用とでどっちがメリットが大きいのか比較しています。
本記事をお読みいただくことで、あなたが海外で働く上で現地採用を選ぶべきなのか駐在員を選ぶべきなのかが明確になると思います。
私は転職エージェントで勤務し、数多くの海外勤務経験者の支援をしてきました。その経験から、駐在員と現地採用の違いについてシェアさせていただきます。
海外勤務には駐在と現地採用の2種類がある
・日本で雇用されて海外に派遣されるのが駐在員
・海外の法人に直接雇用されるのが現地採用
海外勤務を目指す場合、まずは2つの雇用形態があることを知っておきましょう。
一つが日本で雇用されている立場で海外に派遣される形態。
これは一般的に海外駐在員と呼ばれる雇用形態です。
この場合には、派遣先企業は日系企業の現地子会社である事が多いです。
続いて海外の企業に直接雇用される現地採用。
こちらも多くの人が日系企業の現地子会社で働いていますが、外資系企業や現地ローカル企業で働いている人も数多くいます。
駐在員と現地採用はそれぞれ良し悪しがある
本社採用(駐在員)と現地採用のどちらが良いのかは、その人が何を重視するのかによって異なります。
誰にとっても本社採用の方が良い、というようなことはありません。
このあと、いくつかの観点で本社採用と現地採用のどちらがオススメなのかを紹介していますのでご覧ください。
海外駐在が現地採用より優れている点
給与や福利厚生などの待遇面
駐在員(本社採用)と現地採用とを比べた場合、待遇面では駐在員に大きく分があります。
駐在員の場合、会社の命令で赴任しているといこともあり、海外で暮らす住宅費用は全額会社負担が当たり前です。
また、年に1回の帰国費用が会社持ちだったり、インフラが整っていない新興国の場合であればハードシップ手当というものが別途ついたりします。
インドに駐在すればハードシップ手当だけで年間250万円ほどの手当が期待でき、仮に5年間駐在するとすれば、250万円✖️5年=1250万円も手当をもらえることになるわけです。
当然それまでにもらっていた給与はそのままもらえますので、この違いは大きいですよね。
もっと詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ。

より高い役職で仕事をすることができる
本社採用されて海外に派遣される場合、ほぼ100%現地法人の管理職クラスのポジションを任されることになります。
役員以上は全員日本本社から来ている駐在員という企業も多く、海外拠点で経営に近い経験を積みたい人にとって駐在員は魅力的なポジションと言えます。
駐在員の場合、日本での役職よりも2ランクアップの役職で派遣されるのが一般的です。
なので、日本で平社員でも海外では課長、日本で課長なら海外では役員や社長になれたりします。
欧米など先進国で働けるチャンスが掴みやすい
海外勤務を希望する人の中でも欧米で働きたい(というか住みたい)という人は多いです。
しかしその反面、欧米で働くチャンスは決して多いとは言えません。
理由はビザの取りずらさです。
ビザはその国で働く許可証のようなものですが、これが欧米をはじめとする先進国では取りづらいのです。
アジアのように成長期の国では、産業を育てるために海外のノウハウが欲しくてどんどん外国人を受け入れます。
しかし、すでに産業が発達した国においては海外からノウハウを受け入れるよりも自国民の雇用を守るほうが先決であり、新興国に比べてビザが取りずらい傾向にあるのです。
特にヨーロッパは経済の成長性がそこまで高くなく、すでに成熟していることから今から新たに日系企業が進出しても入り込む余地が多くありません。
そして、日系企業による新たな進出がなければ求人数も多くは見込めません。
すでに進出している企業の場合、その多くが組織のほとんどを日本人から現地の方に切り替えが進んでおり、今から日本人を採用する必然性に乏しいのが現状です。
駐在員であれば、先ほど述べたとおり役員クラスのポジションを任されることが多く、企業にとって重要なポジションであることを理由として欧米での就労も比較的許可が取りやすいのです。
現地採用でもアジアならチャンスが豊富
海外で働きたいなら一番チャンスが多いのはやはりアジアです。
一言でアジアといっても国によって出てくる求人には傾向があるのですが、例えば中国やタイは古くから日系企業の進出が盛んであり、数多くの拠点があるため一見就職先が見つけやすそうに思えます。
しかし、古くから現地で事業を行なっているということは、それだけ現地での事業が成熟していることから、求められる人材のレベルも高くなるということを意味します。
例えば、中国工場の工場長が高齢になってきたのでその後任を外部から採用したい、というような募集が多くなってくるのが特徴です。
そうした求人に職種や業界未経験で応募してもオファーは見込めないでしょう。
一方、日系企業の新規進出が盛んな国では経験が浅くともチャンスが多いのが特徴です。
ここ2〜3年はベトナムへの進出が盛んですので、海外勤務に興味がある方にはオススメの国と言えるでしょう。
シンガポールや香港は経済が発展している国・地域ですので、出てくる求人もかなりハイスペックです。
基本的に先進国では外国人を受け入れるよりも自国民の雇用を重視する傾向にあるのです。
例えばシンガポールの場合、(シンガポールから見た)外国人を採用する際には先にシンガポール人に向けて求人を出し、それでも採用ができなかった場合にのみ外国人を採用することが認められています。
ASEANの中だとミャンマーやラオス、カンボジア辺りはまだまだ求人が少ないですが、逆に今のうちにチャンスをつかむことができれば、その国に精通した数少ない人材として将来的に良いポジションをゲットできる可能性はあります。
インドは今後の成長可能性も含めてチャンスが豊富な国ですが、生活環境が多くの日本人に合わず体調を崩す方も多いので注意が必要です。
現地採用が海外駐在より優れている点
経験やスキルが高くない人でも海外で働けるチャンスがある
現地採用なら高度なスキルや経験を持っていなくても比較的簡単に海外勤務の夢を実現する事ができます。
駐在員の場合には、給与や福利厚生などコストが半端じゃなくかかる点に加えて役員クラスのポジションを担うことになるため人選は極めて厳しく行われます。
なので海外勤務が未経験だったり、語学が苦手だったり、日本での仕事のレベルも一流でなければ海外駐在員になることはできません。
現地採用ならメンバークラス(非管理職)での募集が数多く出ているので、スキルに自信がない人でも内定を取る事がしやすいのでオススメです。

すぐに海外で働くことができる
まず、とりあえず海外であればどこでもいいからすぐに働きたい!という方には圧倒的に現地採用の方がオススメです。
現地採用であれば採用されたらすぐに海外で働けるのに対し、駐在員候補として採用された場合、採用されたあとしばらくは日本本社での研修が待っているからです。
例えばメーカーの駐在員前提求人で採用された場合、本社工場で数ヶ月を過ごし、事業の流れや製品の特徴などを学んだ後に海外に派遣されます。
採用されてから海外に行けるまでの期間は平均半年、長ければ数年に及びます。
その期間が待てないという方は海外現地採用をお勧めします。

海外で長期間働くことができる
現地採用のいいところはずっとその地で働ける点です。
これが本社採用だとそうはいきません。
駐在員は基本的に3年〜5年という期間で人事異動が行われるため、そのタイミングで日本本社に戻らなくてはならないのです。
そして、日本に戻ったらその後は永遠に日本国内で勤務を強いられることも珍しくありません。
駐在員の中には、海外赴任中にその国ことが好きになり日本に帰るのが嫌になって現地採用求人に転職するケースは極めて多くあります。
その国が好きでずっと同じ国で働いていたい!という方には現地採用をお勧めします。
海外で働きたくなったら
もし経験が十分じゃなくとも海外勤務にチャレンジしてみたい!という方は以下の記事を参考にして夢を実現してみてください!
