海外駐在

海外駐在は出世コースに乗ったエリートの証なのか?解説します

海外拠点では働く従業員
本記事はこんな人向け

海外駐在の話が来たんだけど、これって出世コースってこと?

ひょっとして海外転勤って窓際族みたいな物なのかな?

私は転職エージェントで海外案件に数多く携わってきました。

その中で企業が駐在員をどのように位置付けているのかについても数多く見聞きしてきたので、その経験を踏まえて解説していきます。

基本的には出世コースのエリートだが例外も

海外駐在員に選ばれる場合、基本的には出世コースに乗っていると考えて差し支えありません。

人口が減少フェーズに入った日本の将来しを考えると、日系企業にとっては海外事業を成長させなければ経営が成り立たなくなってしまいます。

将来の収益の柱を作る上で海外事業は社運をかけた事業でもあり、その事業の一端を担うわけですから一定以上の評価を得ている人材しか駐在員に選ばれることはありません。

仮に海外駐在員が出世コースの会社であれば、下の流れみたいに出世していくことが多いです。(あくまで一例ですが。)

国内営業⇨マーケティング⇨海外駐在⇨グローバル人事課長⇨新規事業開発室長⇨新規事業開発部長⇨事業本部長(執行役員)⇨取締役⇨代表取締役

なのでもし駐在員の話があったなら、それは前向きに捉えて良いでしょう。

しかし、現実には海外に行くことと出世することがイコールになっていないケースも数多くあるので、それを見極めるポイントをご紹介していきたいと思います。

企業によって海外駐在させる目的が異なる

海外に人を派遣する主な目的としては大きく2つに分けられ、企業によってどちらの比重が大きいかは異なります。

1:人材育成の一環として

2:海外事業を伸ばす即戦力として

人材育成の一環として派遣されるケース

まず一つ目が人材育成を目的として赴任させるケースです。

海外に駐在する際は日本での職位よりも高い職位でのポジションを任されることが一般的であり、例えばメンバークラスの人でも海外に行けば部長級のポジションを任されることが多いです。

そうしたこれまでより高い視座で物事を考える経験を積ませることによって、企業はその人材を育てようとします

当然、異国の地というストレスフルでタフな環境で揉まれることによる成長も織り込まれてますし、語学力を身につけてもらうという観点もあります。

・日本より高い職位で仕事を経験できる

・異文化の中で経験を積める

・語学力が身につく

・リソースがない中でなんとかする力が付く

海外事業を伸ばす即戦力として派遣されるケース

続いて純粋に海外事業を伸ばすための要員として赴任するケースです。

海外事業は国内事業の延長にはなく、国内で活躍している人材が海外でも同様の実績を出せるわけではありません。

しかし海外事業に長けた人材というのもいて、そうした適性を会社から見出された場合には育成というよりは海外事業を伸ばすために駐在の話が来る場合があります。

・海外事業の適性を見出されるとずっと海外もありうる

・語学力がなくとも海外事業適性を見いだされる可能性はある

派遣目的にみる出世コース度(エリート度)の違い

人材育成目的は出世コースの可能性が高い

もしあなたを育成するために派遣される場合、出世コースに乗っている可能性が高いです。

なぜなら海外駐在員は駐在手当や住宅が会社負担など、企業にとってかなりのコストがかかるからです。

高いお金を払ってでもあなたに成長してほしいという会社のメッセージでもあり、長期的な視野で次の(あるいはそのまた次の)社長候補を育てているわけですね。

よっぽど海外赴任中に大きな失敗をしない限りは長期的にみて上に上がっていけるでしょう。

おそらく海外赴任してから3年〜5年程度のタイミングで人事ローテーションで日本に帰任することになり、何らか新しいミッションに就くことになると思います。

駐在員にはお金がかかる!

そのコストを育成のためにかけてくれるということは会社から期待されている証。

海外事業を伸ばす目的だと可能性が少し下がる

一方、人材育成目的と比べると海外事業を伸ばす目的で派遣される場合には出世コースに乗っている確率がやや下がります

実力を買われているわけですから、会社から評価されていることは間違いありません。

声がかかること自体が優秀さの証とも言えます。

会社からも海外事業を伸ばせるとの期待値が感じられます。

しかし、ここで気をつけなければならないのが、人材育成の意味づけがないまま海外に派遣されてしまうことです。

おそらく単に海外事業を伸ばしたいから派遣されるだけの場合、片道切符になる恐れがあります

海外に送り出してその国の事業を伸ばし、次の海外拠点ができたらそっちの立ち上げを任されを繰り返すのです。

その結果、10年も20年も海外にいる羽目になってしまい、本流(本社勤務)から外れる期間が長くなるほど本社側でポジションが用意できなくなります。

最終的には「国際部担当部長」のようなふんわりとした帰任者専用のポジションを当てがわれ、大したミッションもないまま出世もせずに定年を迎えることになるのです。

3〜5年でのジョブローテーションがあるかも判断するポイント

出世コースに乗っているかどうかを見極める上では海外駐在から何年で帰ってこれるのかも大事なポイントとなります。

少なくとも人材育成目的で派遣される際には1年〜5年の間で日本に戻されることがほとんどです。

※赴任期間についてはこちら↓の記事で詳しく解説しています。

海外駐在の期間
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それが5年よりも長いとなると、少し雲行きが怪しくなってきます。

海外に5年以上赴任するのは出世コースじゃない可能性も高い

5年以上海外にいることの何が問題かというと、海外駐在の期間が長くなればなるほど日本本社の組織編成から置いていかれることになるためです。

急成長中の企業であればいくらでも社内に新たなポストが生まれていくのでそれほど心配はありません。

しかし、これが成長から安定フェーズに入った大企業となると話は別です。

安定フェーズの企業では基本的に新しいポストが生まれないため、いま上にいる人が退かない限りは昇進昇格することができません

もしかすると等級は上がっていくかもしれませんが、肩書きはそのままになります。

海外にいる期間が長くなるほど、上のポストが空く可能性も高まり、その時日本にいないことで他の人にポストを奪われてしまう可能性も高くなるのです。

出世とは椅子取りゲームみたいなもの。

日本本社にいないと椅子が空いた時に座れない。

半分の会社が片道切符状態で海外へ派遣している

実際には3年〜5年できちんと人事ローテーションを回せている企業は約半分程度です。

逆に言えば、残りの半分の企業は半ば片道切符状態で海外に人を送り込んでいるのが現状で、海外に行きっぱなしで10年〜20年という人も珍しくありません。

20年後に日本に戻ってきても役員にまで上がれるケースは極めて稀です。

20年以上海外赴任し続けて日本本社に帰任した人は「本社にいる人間のこと全然知らないんですよ 笑」っておっしゃってました。

ちなみに海外経験が長すぎると転職活動で不利になるリスクもあるので、気になる方はこちら↓の記事を参考にしてみてください。

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海外勤務経験は転職で有利?不利になるケースとは? 本記事が解決する疑問や悩み 海外で長く働いたり生活した後の転職活動って日本の企業からどう思われるんだろう? 海外で経験を積んだ方...

帰任時に用意されるポジションで見極める

続いて帰任時のポジションから出世コースかどうかを判断するポイントをご紹介していきます。

複数の魅力的な選択を用意されるのは出世コース

まず、帰任する際に赴任前よりも高い役職や社内的に重要なポジションを用意してもらえる場合には出世コースと言って良いです。

人によっては「子会社の社長 or 本社の事業本部長 or 海外拠点全体の統括」など、上のポジションを複数提示されるケースもあります。

そのレベルになると次期社長候補の有力株クラスですね。

そこまで用意してもらうことは少ないですが、日本から海外に行く前よりと比較して重要なポジションに就ければとりあえずOKです。

例えば以下のイメージですね。

赴任前:メンバークラス

駐在中:部長クラス

帰任後:課長クラス

ならOKです。

海外では職位がインフレするので、日本に行く時より高い役職に上がっていれば評価されている証です。

駐在前と同じタイトルやポジション未定なら窓際に一歩近づく

反対に危険信号なのが赴任前からポジションが全く変わらなかったり、ポジションが用意されないまま日本に戻ってくるケースです。

この場合、海外に送られた理由自体が「今海外に行っている人が日本に戻りたがっているからとりあえず代わりに誰か送っておこう」程度であることも多いです。

海外で数年過ごしたのに赴任前と同じタイトルだと海外での経験を全く評価されていないに等しいと言えます。

また、帰任時にポジションを用意してもらえないケースはもっと悲惨で、戻ってから「とりあえず地方の営業拠点に送っておけ!」のような行き当たりばったりで海外での経験を1ミリも活かせないポジションを任せる場合もあります。

行き当たりばったりな人事を繰り返す企業に出世コースなどない

そのような場合は出世コースとは言い難いです。

というかそんな行き当たりばったりな人事を繰り返す企業に出世コースというような決まった道がないだけの話ですね。

もしあなたの勤務先がそうした適当な企業であるなら、さっさと見切りをつけて転職するのもいいと思います。

オススメのエージェントは以下の記事でまとめてますのでよかったら参考にしてください。

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