海外勤務

【元転職エージェントが解説】海外で働くデメリット13選

海外で働くデメリットを解説します
本記事が解決する疑問や悩み

海外で働いてみたいけど良いことばかりじゃ無いよね?

海外で働くデメリットってなんなんだろう?

海外で働いているという話を聞くと、つい「羨ましい!」とか「楽しそう!」と思ってしまいがちですよね?(私だけ?笑)

でも実際に海外で働いている人から話を聞くとデメリットも数多く見えてきます。

今回は私が転職エージェントとして海外で働く人と話をする中で知った、海外で働くデメリットを仕事に関することとプライベートに関することで分けてご紹介します。

先にメリットを知りたいという方はこちらの記事をご覧ください。

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仕事関連のデメリット

まずは仕事に関連することからご紹介していきます。

長く働きすぎると転職市場での評価が下がることもある

海外で働く経験を積むことは、基本的にあなたの転職市場での価値を高めてくれます。

しかし、海外で長く働きすぎるとむしろ企業から懸念されて不合格になるケースも出てくるんです。

例えば仕事面でルーズな人が多いとされる国で長く働いていた人は現地の人と同じようにルーズになっているのでは、みたいな懸念です。

その程度ならまだ可愛いものですが横領などに手を染めてしまっていないか?などと懸念されることもあります。

将来再び日本で転職活動する際に不利になる点は海外で働くデメリットと言えるかもしれません。

詳しくは以下の記事で解説しています。

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日本での働き方が嫌で日本で働けなくなる

海外は日本に比べて社内の規則が厳しくなく、休みも取りやすかったりと働きやすい環境である事が多いです。

なので、そうした職場環境に慣れてしまうと日本に戻ってきて転職しても、日本の働き方が合わないという海外経験者は非常に多くいるんです。

一度海外で長く働いてしまうと日本の厳格なコンプライアンスや社内ルールにうんざりする人が多い

日本が合わなかった人が再び海外に行ければまだ良いのですが、仕事が見つからないとか親の介護などで日本にいなければならないという人もおり、その場合合わなくなった日本で仕事生活を送る必要が出てきます。

給料が日本より安い

主にアジアなど、日本よりも経済が発達していない国で働く場合、日本よりも給料は安い事がほとんどです。

給与水準は物価水準とある程度比例するため、物価が日本よりも安い国で働く場合には給料もその水準に合わせて低くなります。

ご参考までに求人サイトを参考に、いくつか海外勤務の求人と給与条件をまとめたので表をご覧ください。

勤務国職種月給
マレーシアカスタマーサポート約17万円
タイカスタマーサポート約13万円
ベトナム大学運営約20万円

表の金額を現地でもらえればそこそこ高い水準の生活ができると思いますが、将来日本に帰ってきたいという人にとっては、将来のための貯金を考えると給料が安い点はデメリットになります。

また、給与が安いというのはあくまでも物価水準が安い国で現地採用として働く場合の話ですので、仮に日本よりも物価水準が高い国で働ければ日本よりも給料が上がりますし、物価が安い国でも駐在員として働けるなら日本の給料に加えて手当ももらえるので待遇は充実しています。

専門性の低い仕事も多くスキルが身につかない

海外の拠点は日本に比べて拠点の機能が発達していないことも多く、その場合仕事に求められる専門性も拠点のレベルに応じて下がります。

専門性の低い仕事を続けてしまうといつになってもスキルが身につかないので給料も上がりませんし成長している実感が持てないので仕事のやりがいも感じづらくなります。

成長している企業に転職できれば最初は簡単な仕事からスタートしてもすぐに重要な仕事を任されるチャンスが来る

雇用が不安定

海外駐在員の立場で海外に行くのであれば別ですが、現地採用で働く場合には雇用が不安定です。

仮に勤務先企業が現地から撤退するとなれば現地採用で雇われている人はそのままクビとなり退職することになります。

日本は労働者保護の観点が強いですが、海外では日本の法律で守られている訳ではありません。

労働者保護の意識が弱かったり、法律の整備が追いついていない国ではリストラされても泣き寝入りするしかないかもしれません。

ただ、クビが当たり前の国であればその分だけ再就職もしやすいことが多いのでクビになっても切り替えて次を探すのが賢明でしょう。

福利厚生が整っていない

海外では日本に比べて福利厚生があまり充実していない企業が多いです。

例えば、フレックス制度や退職金制度など、日本にいると恩恵を受けられることの多い制度も未導入だったりするので制度面の充実はまだまだこれからという感じです。

逆に日本では見られないようなその国に合わせた独自の福利厚生が有ったりしますが、日本人にとってはあまり必要ないものであることもあります。

プライベートに関するデメリット

続いてプライベート面でのデメリットについてご紹介します。

家族と離れることで関係が悪くなるリスク

結婚して子供もいる方の場合、家族も一緒に海外に行ければ良いのですが、単身赴任される方も多くいます。

その結果家族一緒に過ごせる時間が少なくなり関係悪化の原因となることは多いです。

特に子供をどこの国(現地か日本か)で育てるのかは喧嘩の原因になり、欧米なら育てたいけど新興国ならついていかないとか、国に限らず日本で育てたいみたいな話になりがちです。

結婚式や同窓会など友人との集まりに参加できない

海外で働いていると友人の結婚式やら学生時代の同窓会といったイベントに参加することが難しくなります。

中にはそうしたイベントの日程に合わせて帰国する人もいますが、時間やお金の面で制約があるので、イベントがあるたびに毎回日本に帰っていられない人の方が多いと思います。

そうした友人との集まりに参加できない事で疎遠になっていくリスクはあります。

思わぬ病気になるリスク

海外では狂犬病やらマラリアやら日本にいるとあまり意識もしてこなかった病気にかかるリスクがあります。

例えば厚生労働省がフィリピンで気をつけるべきと公表している病気はこんな感じです。

フィリピンで気をつけるべき病気

腸チフス、アメーバ赤痢、細菌性赤痢

A型肝炎デング熱、日本脳炎

マラリア、狂犬病、ポリオ など

医療が発達している国であればまだ良いですが、いい加減に診察される可能性がない訳ではありません。

元々日本人に耐性のない病原菌も多くあると思いますので、病気にかかるリスクと適切な診察や治療を受けられないリスクを考えると、病気や怪我で死ぬリスクは日本よりも高いかもしれません。

病気とまでは言えないまでも、私の知り合いでインドに働きに行った人はほぼ間違いなく赴任直後からしばらくはお腹を下してますので日本と同じコンディションで働けないことも注意が必要かもしれません。

治安が悪く事件に巻き込まれるリスク

日本でも毎日何かしら事件が報道されますが、海外の犯罪率は日本と比べものにならないほど高いです。

特にプラントエンジニアリング会社で働く場合など生活インフラに近い部分を支えている産業はまだまだ経済が発展していない国での勤務機会も多いため、治安面でのリスクは高いと言えます。

実際、覚えている人も多いと思いますが2013年には日揮の社員がアルジェリアでイスラムの武装勢力によって襲撃されて殺害されるなど痛ましい事件も起こっています。

そこまで危険な目に遭う可能性がそこまで高くないにせよ、新興国で働いている人は何かしら危ない目に合っている事が多く、強盗やスリなど犯罪の被害といった被害に遭う可能性は十分に考えられます。

現地の人や日本人同士の人間関係が辛い

人間関係が合わないリスクもあります。

日本はハイコンテクストな文化、海外はローコンテクストな文化と呼ばれる違いがあり、その違いに戸惑う人が多いです。

ハイコンテクストとは伝えたいことを伝えるために必要な言葉が少ないことを意味しています。

例えば日本人同士の場合には「阿吽の呼吸」とか「察する」事が得意なのであまり多くの言葉を必要としません。

しかし、それをローコンテクストな(つまり伝えるためにより多くの言葉を必要とする)海外でもやってしまうと、「全然こちらの思った通りやってくれない」とか、「外国人上司からのフィードバックが直接的な表現が多くて傷ついた」とか、そうしたコミュニケーション上でのギャップで苦労する人が出てきます。

また、日本人同士の関係性に疲れる人もいます。

海外には大抵どの国にも日本人のコミュニティというものが存在しますが、狭いコミュニティの中での人間関係で配慮しなければならないことも多く、疲れ果ててしまうという人もいます。

これは働いている人だけでなく、その家族、例えば奥さんが駐在員コミュニティの中での関係が嫌で鬱になるというケースはあります。

このように人間関係の面でも日本にいた頃とは違った難しさがあります。

出会いがなく結婚できない

独身の方の場合、海外で働いている事で出会いがなく結婚したいけどできないというケースもあります。

もしお相手の方も日本人が良いという事であれば日本に比べて数がどうしても少なくなるので、出会いも相応に減ってしまいます。

私の知り合いも現地では結婚相手を見つけられないからという理由で日本に帰国して働いていた人がいました。

ただ、出会いの数が少ないだけで現地にいる日本人同士で結婚するというパターンは普通にありますし、現地国籍の方と結婚するパターンもあるので人それぞれです。

日本人であることで差別を受けるリスク

日本で暮らす外国人の方が日本人から差別を受ける事があるように、日本から海外へいくと差別を受ける事があります。

新型コロナウイルスが流行した初期、欧米の人の中には「アジアの人はバイ菌」的な差別をした人もいました。

日本でも「中国人お断り」とするお店が出てきて話題になっていたので海外ばかりを責められませんが、いずれにせよ海外に出ることで心ない差別を受ける可能性は否定できません。

まとめ

ご紹介してきたように、海外で働くことはメリットばかりではありません。

ただ、取り上げたようなデメリットがあることをしっかりと理解した上で海外に挑戦するか否か検討してみてください。