スキル・資格

転職活動のために資格を取っても有利にならない理由を解説します

転職に有利な資格
この記事はこんな人向け

転職したいけど、今のスキルに自信がない。何か資格でも取ろうかな?

資格を取ってから転職しようと考える人は結構いますが、結論から言えば転職のために資格を取ることはお勧めしません。

その理由は、簡単に取得できる程度の資格では効果がないからです。

詳しく解説していきます。

転職に資格があると有利なのか

資格の勉強をする男性

転職活動をすると履歴書に「資格欄」がありますよね。

持っている資格を書く欄です。

この欄が設けられているからなのかわかりませんが、転職活動を有利にする上では資格を取らなければならないと思われている方が多くいますが、これは誤解です。

事実として、外回りをしなければならない営業職の人であれば車を運転しなければなりませんので、普通自動車免許が必須だったりします。

その意味では資格が必要になるシーンは確かにあるのですが、転職市場全体で見たときに、転職のために資格を取る必要性はほぼないといって良いです。

たまに資格コレクターのような人もいて、10個も20個も資格を履歴書に書く人もいらっしゃるのですが、世の中に存在する資格の99%以上は転職する上では取得しても意味がありません。

例えば、弁護士や医師免許の資格があれば転職で有利になりますが、それって「転職を有利にするためにとる資格」ではありませんよね?

弁護士も医師も資格を取るためには膨大な量の勉強をこなさなければならず、初めから「弁護士になろう」とか「お医者さんになろう」という気持ちの人でなければ途中で挫折してしまうでしょう。

そもそも勉強さえすれば誰でも取れる資格というわけでもありませんしね。

一方、数ヶ月猛勉強したら取れるという程度の資格は転職市場でまず評価されません。

なのであくまでも自分の趣味で資格を取るのなら良いですが、転職のために資格を取る、というのはもったいなくて、その時間を使って仕事をする時間を増やして大きな成果を出す方がよほど転職に有利になります。

・資格の99%は転職活動では役に立たない

・中途採用では経験とスキルの方が圧倒的に重視される

・資格を取るよりも仕事で成果を出すことが効率よく市場価値を上げるコツ

なぜ転職活動で資格は意味がないのか

資格を取ったのに転職で失敗した女性

転職活動をする上で資格が企業から評価されない理由は、中途採用市場が即戦力採用だからです。

言い換えれば、転職活動で内定をもらえるのは「知ってる人」ではなく「出来る人」だということです。

「知っている」と「出来る」は似ているようで全然違います。

例えば、料理のレシピ本を読めば美味しい料理の作り方は分かります。

でも、実際に自分で作ってみると上手くできないこともありますよね。

別の例で言えば、私たちは会社の社長がどんな仕事をする人なのかは知識として知っていますが、実際に同じレベルで経営できるわけではありません。

これが「知っている」と「出来る」の違いです。

資格は「知っている」証にはなっても「出来る」証にはなっていないのです。

企業は育成する必要がある人材は新卒で採用してしまいます。

中途採用では育成の必要がない人材を採用する目的で行われるので、実際にその仕事ができる人材でなければならず、そのためには資格を持っているというだけでは不十分なのです。

それが、転職市場で資格が評価されない理由です。

資格で転職が有利になるための3つの条件

転職する上で資格を取ることが全く意味がないわけではありません。

ここでは転職で資格が有効であるための条件を3つご紹介していきます。

それが以下の3つです。

・独占資格であること

・知識やスキルに需要があること

・実務経験の裏づけがあること

業務独占資格であること

その資格を持っている人でなければ就くことができない仕事に関するものを業務独占資格と呼びます。

例えば弁護士や医者が代表的な例です。

弁護士資格を持っていないのに法廷で弁護士として立つことは許されませんし、医師免許を持っていないのに手術をすることも許されていません。

独占資格は取得するハードルが高いですが、誰でも取れる資格ではない分だけその資格を持っていれば転職市場では貴重な存在となります。

弁護士や医師の資格を持っている人材は企業でも必要とされており、弁護士は企業内弁護士、医師は製薬メーカーの新薬開発に関わる仕事があります。

知識やスキルに高い需要があること

その分野の知識やスキルに高い需要があることが資格が有利に働く必須条件です。

これは独占資格にも同じことが言え、例えばAIが進化することで弁護士が人からロボットへ完全に移行するなんてことがあれば、弁護士資格を持った人材の需要は急激に減るでしょう。

逆に自社の業務の自動化やAI活用による業務改善、製品開発はどの企業でも急務ですので、人工知能に関する高度な知識や技術を持った証としての資格などが今後出てくれば取得することで転職が有利になる可能性はあります。

(正直、いま世の中に存在する資格で需要がものすごくあるものは残念ながらありません)

実務経験の裏付けがあること

資格は実務経験とセットでこそ効果を発揮します。

例えば、机に向かって勉強をした結果TOEIC800点を取れたとしても転職ではあまり意味がありません。

でも、日頃から仕事で英語を使っており、試しにTOEICのテストを受けてみたら800点だった、という場合には転職活動で有利になります。

これは普段から英語を使っている、という実務経験を裏付ける結果として資格があるからです。

そもそもこの例で言えば、別にTOEICを受けなくても良いのです。

転職市場では経験とスキルが評価されるので、実際に英語を使って仕事ができているのであれば資格は持っていようが企業にとっては関係ありません。

外資系企業や日系企業の海外事業関連のポジションの面接であれば英語力を確かめるために英語面接が実施されるケースもありますし、そこでの評価が悪ければTOEICで満点を取っていようが意味はありません。

実務経験と資格はセットという点は意識しておいてください。

転職に有利な資格ランキング

転職で使える資格

転職に有利な資格を得られる年収の高さと仕事の見つけやすさの観点からそれぞれトップ3をご紹介していきます。

転職で高い年収を実現できる資格

1位:医師

2位:弁護士

3位:公認会計士

どれも難易度は高いですが、逆に言えばこれくらいの難関資格でも取らなければ、資格があるからといって年収が上がるということはありません。

ランク外ではありますが、もし上記以外の資格を目指すならTOEICで900点以上を取るのが現実的かつ効果が大きいと言えます。

英語ができれば外資系企業への転職ができ、年収アップをすることは難しくありません。

900点と書きましたが、895点だとだめ、とまで厳密に考える必要はありません。

ただ、英語を仕事で使う機会がなく勉強だけでスコアを取るなら900点以上はないと実務では使い物にならないです。(700点もあれば書類やメールを読むことは問題なくできますが、英語で議論するのは経験がなくてはまず無理です。)

転職で仕事を見つけやすい資格

1位:薬剤師

2位:TOEIC900以上

3位:社会保険労務士

仕事の見つけやすさで言えば薬剤師はかなり強いです。

薬局は全国にあるので、配偶者が転勤となっても転勤先で仕事を見つけることも容易ですし、薬剤師は給料も安定して高いので転職に強いと言えます。

活躍の場も薬局だけでなく、医薬品メーカーや化粧品メーカー、あるいは医薬品を扱う物流会社などでも需要があるのでキャリアの選択肢も豊富です。

英語は仕事の見つけやすさの上でも有利です。

楽天などはTOEIC800点以上を求めていますし、外資だと営業以外はどのポジションでも必須です。

また、社会保険労務士は人事としてキャリアアップを目指していくのなら勉強しておくと良いです。

まとめ

転職活動をするために資格を取得するのはあまりオススメしません。

どうしても何か勉強するのなら英語(TOEIC)が良いですが、それも勉強に時間を割くのではなく実際に実務で英語を使う経験を積むことを優先した方が良いです。

資格は本来目的ではなく手段ですが、多くの人が資格を取ること自体を目的にしてしまっています。

もし転職で有利になりたいなら、資格ではなく今の職場で成果を出すことに拘ってみてください。

その方がよほど企業から求められる人材になれると思います。