ヘッドハンターって転職エージェントと違うの?
ヘッドハンティング会社の有名なところは?
最近、ただの転職エージェントがヘッドハンターと自称するケースが非常に目立ってますが、本来転職エージェントとヘッドハンターは似て非なるものです。
私は転職エージェントで勤務しており、ヘッドハンターの知り合いが何人かいるので、彼らからの情報も含めてまとめました。
そもそもヘッドハンティングとは何なのか?
ヘッドハンティングって言葉は有名な割に最近は誤解して使っている人も多いです。
普通の転職とヘッドハンティングの違いって分かりますか?
転職活動は一般的に転職したい人が求人サイトや転職エージェントに自ら登録して転職先を探します。
一方、ヘッドハンティングの場合にはあなたが転職する意思がない(=転職サイトや転職エージェントを利用していない)というのがポイントです。
企業の方から指名されたり、企業から内密に重要なポジションの採用を依頼されたヘッドハンティング会社から声がかかるのです。
ビズリーチが有名になってからヘッドハンティングを誤解する人が増えたように感じるのですが、それはビズリーチが転職サイトでありながら、普通の転職エージェントのことをヘッドハンターと呼称していることに原因があります。
ビズリーチに登録をして企業や自称ヘッドハンターから声がかかっても、それは普通に転職活動しているだけのことでヘッドハンティングされたとは言いません。
ヘッドハンティング会社と転職エージェントは料金体系が異なる
ビジネスモデルでもヘッドハンティング会社とその他大勢の転職エージェントとでは決定的に異なる点があります。それは、料金体系です。
転職エージェントはコンティンジェンシー契約
一般的な転職エージェントはコンティンジェンシー型(成功報酬型)の料金体系である点に特徴があります。
企業に人材を紹介して、その人を採用してもらえるとお金を企業からもらうことができるのです。
逆に言えば、100人企業に推薦しようが誰も採用に至らなければ一切料金がかかりません。
採用に至った場合、候補者の年収の35%前後がフィーとして発生します。つまり、年収が500万円の人を採用してもらえた場合には175万円前後のフィーが企業からエージェントに支払われることになります。
紹介する人材は基本的に転職活動を行なっている層を対象にしており、ホームページ経由で自社に登録してきた人材に加えて、ビズリーチやエンジャパン、キャリアカーバーといった各種転職サイトと提携をして、そこに登録している人材にアプローチすることで企業に紹介する人材を探します。
ヘッドハンティング会社はリテーナー契約
ヘッドハンティング会社の特徴がリテーナー契約でクライアント企業をサポートしている点です。
これは簡単に言えば、人材の採用に至る前にも手付金みたいにお金をもらえる契約のことです。
よくあるのが手付金(契約締結時)、候補者が面接に入ったタイミングで再びフィー、採用に至ったらまたまたフィーをもらえるというパターンです。
つまり、採用に成功しようがしまいがお金が発生するのが最大の特徴なんですね。
これも候補者の年収によってフィーの総額が変わるものの、1件の採用を成功させることができれば500万〜数千万円のフィーを受け取ることになります。
候補者は企業から指名されるケースもありますが、企業が解決したい課題にあった人材をヘッドハンティング会社がリストアップし、それらの人材にアプローチしていくことが普通です。
例えば、特殊な技術を持っている人材を探したい場合、技術論文などにも目を通して誰がその論文を発表しているのかといった情報などから候補者を絞り込んでいくのです。
ビズリーチを利用している転職エージェントがヘッドハンターと呼ばれてしまっていますが、こうしたリテーナー契約でビジネスをしている人からするとこのようなオープンな場に登録している人材を紹介することは介在価値を発揮できません。
企業が自らスカウトすればいいだけの話ですからね。
また、有名なヘッドハンティング会社の役員の方とお話ししたことがありますが、その方いわく「ビズリーチに登録している時点で優秀ではない」とのこと。
本当に優秀な方であればそうしたサイトに登録するまでもなくヘッドハンターの方でリストアップされており、いくらでもアプローチがあるはずなので、アプローチを求めに行っている時点でその程度の人材なのだということだそうです。
ヘッドハンティング会社はなぜ成功率が高いのか?
ヘッドハンティング会社の方が採用の成否に関わらずお金をもらえるなんてビジネスとして楽じゃん!と思われるかもしれませんが、固定でお金がかかる分、企業からのプレッシャーも半端ではなく、失敗することが許されません。
そうした失敗できないプレッシャーもあり、採用成功率は転職エージェントよりもヘッドハンティング会社の方が圧倒的に高いです。
基本的に転職エージェントは企業から依頼される求人が10個あればそのうち1つ、多くても3つ程度しか採用を成功させることができないのに対して、ヘッドハンティング会社の場合には成功率が90%を超えます。
成功率が高い理由としては失敗できないため本気で取り組むという点はもちろんですが、そもそもヘッドハンティング会社に依頼する求人というのは企業からすると内密に採用したい重要なポジションであるという点も理由の一つです。
普通、採用したいポジションがある際、企業は複数のエージェントに声をかけて何人もの候補者を紹介してもらうことが多いです。
しかし、内密に採用したいポジションでは情報漏洩のリスクを最小化するためにも1社のヘッドハンティング会社とだけ契約する方が理にかなっているのです。
重要なポジションの場合、競合から引き抜いてくる必要がある場合も多くなりますが、転職エージェントはそうした引き抜き行為はしないとクライアント企業に約束しているためサポートできません。
転職エージェントはあくまでも個人が転職をしたいと思った場合にのみサポートできるのです。
クライアント企業から引き抜いてしまうエージェントには企業も付き合おうと思わないでしょう。
そうした背景から、ヘッドハンティング会社は1つの業界につき契約するのは1社だけ、としているケースも多く、基本的にそれほど多くの企業とは取引しません。
コミットする案件数を絞ることで、高い成功率を担保しているんですね。

ヘッドハンティング会社の大手
人材紹介ビジネスは個人でもできることから、自称ヘッドハンターは腐る程いるのですが、有名なヘッドハンティング会社というのも存在します。
一般的には知名度がないかと思いますが、以下の企業から声がかかった場合であれば、信頼して話を聞くくらいはしても良いと思います。
世界のトップヘッドハンティング会社
- エゴンゼンダー
- ラッセルレイノルズ
- スペンサースチュアート
- コーンフェリーヘイ
- ハイドリックアンドストラグルズ
このクラスのヘッドハンティング会社のコンサルタントは経歴からして化物級です。
東大やハーバードといった超名門大学を卒業し、マッキンゼーのような超名門企業を経てヘッドハンターになっている人たちばかり。
基本的に大手企業が他の大手企業から幹部を採用したとニュースになる場合には、これらのヘッドハンティング会社が間に入っていることが多いと思います。
日本の大手ヘッドハンティング会社
- サーチファームジャパン
- 縄文アソシエイツ
- プロフェッショナルバンク
- 兆(キザシ)
- ジーニアス
日本だとこの辺りの企業がヘッドハンティングの有名どころです。
世界的大手と比べると見劣りするものの、業界内で有名なヘッドハンターはこれらの企業出身者であることが多いです。
良いキャリアを築きたいなら
普通の転職エージェントとヘッドハンティング会社との違いをお分かりいただけたでしょうか?
ヘッドハンティング会社の場合、こっちからアクションするのではなくアプローチを待つことになるので、できることがあるとすると成果を出して社外に認知される存在になることです。
もしそんなの待てない!という方は普通に転職エージェントを利用して転職活動を進めることをお勧めします。
オススメの転職エージェントはこちら↓の記事にまとめてますので参考にしてみてください。
