自己分析・企業研究

医療機器業界に転職するメリットとデメリットまとめ

医療機器
この記事はこんな人向け

・医療機器業界への転職に興味がある

・医療機器業界で働くメリットやデメリットを知りたい

私は転職エージェントのコンサルタントとして数多くの医療機器業界の企業や転職希望者をサポートしてきました。

その経験をもとに医療機器業界で働くメリットとデメリットを解説していきます。

医療機器業界で働くメリット

医療機器業界で働くメリット

医療機器業界で働くメリットから紹介していきます。

年収が高い

医療機器業界で働くメリットの一つ目は年収の高さ。

一般的な製造業と比べて高い技術が求められる製品という付加価値もあり、年収は高めです。

とはいえ、医療機器業界の中でも年収は企業によって差があります。

例外はあるものの、医療機器業界では以下のようなルールに沿って年収水準が決まってくるので覚えておきましょう。

医療機器業界で年収が高い企業を見極める3つの要素

①商材:命に関わる重要度が大きい商品を扱う企業ほど年収が高い

②資本:日系より外資の方が年収が高い

③事業モデル:卸(ディーラー)より商社の方が年収が高く、商社よりメーカーの方が年収が高い

まず①商材について。

医療機器は命へのリスクの大きさによってクラスⅠ〜Ⅳまでランク分けされており、Ⅰが最もリスクが低く、Ⅳが最もリスクが高い商材となっています。

簡単に言ってしまうとリスクが高い商材ほど利益が出やすく、その分年収も高くなる傾向があります。

医療機器のクラスが高いほど年収が高いことを示す図

特に、ペースメーカーやバルーンカテーテルといったクラスの高い製品を取り扱っているメーカーの年収は高く、大手のジョンソンエンドジョンソンやメドトロニックといった企業群では30代半ばで年収1000万円以上を目指すことも難しくありません。

続いて②の資本について。

医療機器業界はかなり外資系企業が強い業界で、年収が日系よりも遥かに高いです。

外資の方が日系より年収が高いことを示す図

外資系の医療機器メーカーとしては、先ほど名前をあげたジョンソンエンドンジョンソンやメドトロニック以外にも以下のような企業が存在します。

主な外資系医療機器メーカー

ジョンソンエンドジョンソン

メドトロニック

ボストンサイエンティフィック

エドワーズライフサイエンス

セントジュードメディカル

GE

シーメンス

フィリップス

ストライカー

ジンマーバイオメット

もし高い年収を望むならこれら外資系企業を選ぶのがオススメです。

もちろん、ここに挙げた以外にもたくさんの外資系メーカーが日本に拠点を作っており、どれも日系企業の平均よりも高い年収を得ることができます。

最後に③事業モデルについて。

医療機器業界のプレイヤーを大きく分けると卸、商社、メーカーがあり、卸→商社→メーカーの順に年収が高くなっていきます。

メーカーが最も年収が高いことを示す図

卸と商社は自社製品を扱わない点では共通ですが、商社の場合には海外メーカーの商品の総代理店的な位置づけで強い権限を持っており、卸よりも利益を出すことができています。

当然利益が出る方が年収は高いので卸よりも商社の方が年収レンジが高い傾向があります。

一方、その商社もメーカーには勝てません。

日本だと就活のイメージで商社の年収が高いと思いがちですが、医療機器業界に限定していえばメーカーが一番年収が高いです。

年収を上げたいのであればメーカー、続いて商社あたりを狙うのがオススメです。

不景気に強い安定性の高さ

医療機器業界の魅力の一つが業界の安定性の高さです。

どれだけ経済が悪化しようとも、人が病気になれば医療機器は使われるため、医療機器は安定した需要が見込めるのです。

メーカーや製品ごとに差はあるものの、業界全体としての安定性は随一と言えるでしょう。

今いる業界の将来性に不安を感じる方にはオススメです。

リーマンショックの際、金融系や不動産系の業界に勤める人々が軒並み業績悪化や将来性不安を感じて転職活動をしていました。

そうした方々の受け皿となったのが医療機器業界なんです。

人命に関わる社会貢献性の高さ

医療機器にもいろいろありますが、商材の特徴としてはやはり人の健康・命・QOL(クオリティオブライフ)に役に立つことが挙げられます。

特に、緊急手術で使われるような医療機器は人命救助に直結するものであり、自分が関わった商品が人の命を救うやりがいは何物にも代えがたいものです。

年々新たな医療機器が開発されており、それぞれ使い方も異なるため、営業マンであればドクターに使い方のレクチャーをすることは大変重要な仕事となります。

市場の明確さ

医療機器業界は開発しようとしている製品の市場が明確である点がマーケティングや経営企画系の人から支持されています。

例えばスマホゲームはどんな製品が売れるのか見通しが立てづらく、何がどんなきっかけで売れるのか予測しずらい業界です。

それと比べると、医療機器の場合にはその商品が活躍する手術(直したい病気)が明確に想定されており、その病気になる患者数なども数値が取れるため、ビジネスとして市場規模や自社のシェアなど正確な数値を取りやすい特徴があります。

これは戦略を立てるポジションの人からすれば仕事のやりやすさにつながります。

また、狙うべきターゲットもソーシャルアプリのように不特定多数の個人ではなく、KOL(キーオピニオンリーダー)と呼ばれるその領域で権威のあるドクターです。

KOLを攻略することができれば、その人の傘下にいるドクターが右に習えでその製品を使ってくれるようになるため、そうしたビジネスとしての明快さを魅力に感じて身を投じる方もいます。

医療機器業界で働くデメリット

医療機器業界で働くデメリット

買収によるリストラのリスクがある

医療機器業界は買収が盛んな業界です。

日系の医療機器メーカー同士が買収するケースはそこまでありませんが、外資同士の買収はかなりの頻度で行われます。

業界全体的に事業の業績としては安定しているものの、個別の企業で見ていくと買収されたり買収したりと年を追うごとに業界マップが変わるほどに変化の激しい領域なのです。

就職した企業がすぐに他社に買収され、経営方針が変わる可能性も捨て切れません。

買収されると、真っ先に切られるのは管理部門なので、職種によっては不安定と言えなくもありません。

営業は取扱製品が異なれば雇用される道もありますが、管理部門の場合にはそもそもが売り上げを上げる部門ではなくコスト部門と見なされており削減の対象になりやすいです。

リストラする場合、買収した方の管理部門に機能が集約され、買収された方の管理部門は人員を減らすことが一般的です。

超大手なら買収する側でありリスクが低いのでは?と思われるかもしれませんが、事業部単位でのM&Aも多いため、いくら大手にいたとしても自分の所属する事業部が存続するかどうかは運次第です。

リストラが始まることで転職市場全体に与える影響について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

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土日でも緊急対応で気が休まらない

特に営業やサービスエンジニアのように現場に近い職種で起こりがちですが、人命に関わる度合いが大きい商材ほど土日だろうが夜中だろうが緊急の呼び出し(オンコール)が起こり得ます

365日24時間気を抜けない環境が辛くて転職を考える方がいるのは事実です。

緊急の呼び出しは命に関わる医療機器ほど起こり得ますので、ワークライフバランスを重視した方は医療機器の中でも緊急性の低い商材を選ぶことをお勧めします。

命に関わる医療機器の場合、故障した時に備えて代替機を病院においていることもあります。

その意味では緊急対応が必要ないケースもありますが、万が一製造品質に問題が見つかったりすれば、営業に関わらず全社として緊急対応が求められることになるでしょう。

経営スタンスが保守的であらゆることが古い

医療機器産業はベンチャーやWeb系企業のような先進的で常に新しい試みをする企業と比べるとかなり古い体質が残っています。

業界全体として保守的であり、先進的な企業から来た人は大きく戸惑う事になるでしょう。

社内の情報システムはいつ作られたのかもわからず、最新のシステムに変わる気配もない。

稟議書には数多くのハンコが必要になり意思決定は慎重で遅い。

そんな古い伝統的な日系企業がまだまだ多いです。

製品にはIoT対応させたものやAIを活用したものも出始めていますが、業務面での改善の余地は大きい業界と言えるでしょう。

それを伸び代と捉えられる人にとっては良い環境かも知れません。

規制の存在

医療は人命に直結する行為であり、それを支える医療機器業界には高い倫理性と確実性の両方が求められています。

その実現のために業界では様々な決め事があり、医療とは無縁の業界にいた人が医療機器業界に飛び込むと規制でやりづらいと感じることもあると思います。

一方、医療機器業界の規制の厳しさは製薬業界からみると緩いと感じるケースが多いのも事実。

製薬業界から医療機器業界に転職した人が口を揃えていうことが「医療機器業界はまだまだ品質管理や品質保証などの規制が十分に整備されていない」ということです。

整備されていないというよりは運用が徹底されていない、という意見を聞くことの方が多い印象ですかね。

これはどこの企業が、という話ではなく、医療機器業界の規制の話なので、製薬業界出身者はどこに入っても同じ不満を抱えるものと思います。

医療機器業界に転職する方法とは?

医療機器業界に転職する方法

医療機器業界に転職したい方にオススメなのは転職エージェントを使うことです。

求人広告でも良いのですが、以下のような点でエージェントを使う方がメリットが大きいです。

・医療機器メーカーや商社の準大手〜大手は求人広告よりも転職エージェントの利用率の方が高い

・企業ごとの特徴を教えてもらえるので志望順位を明確にしやすい

・過去の質問内容などの蓄積があり面接対策をしてもらえるため受かりやすい

その中でもオススメなのが以下の3社。

どれも私自身が実際に使っているエージェントです。

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インド、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、中国、香港、台湾 ※RGF(リクルートグローバルファミリー)として集計)
 
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パソナキャリア



・1976年設立
 
 
・海外拠点
ポーランド、中国、香港、台湾、シンガポール、インド、ベトナム、韓国、インドネシア、タイ、マレーシア、ドイツ
 
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・1988年設立(創業は1975年)
 
 
・海外拠点
中国、香港、韓国、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、インド、ベトナム、イギリス、ドイツ
 
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