・今はまだ20代だけど将来どんなきっかけで転職する可能性があるのか知っておきたい
・自分と同年代の人がどんな理由で転職を考えるのか知りたい
新卒でいい会社に入社して「せっかくこんな大手企業に入れたんだからずっとここで働こう」と思っていても将来どうなるかわかりません。
私はこれまでに数多くの方の転職シーンに立ち会ってきましたが、実感するのは「歳を重ねるにつれて自分の希望だけでは物事を決められなくなってくるんだな」ということです。
今回は人がどんな時に転職を考えるのか、そのきっかけをご紹介します。
転職のきっかけは年齢によって異なる
人が転職しようと思う理由は様々ですが、それでもいくつかのパターンに分けられます。
人が転職したいと思うのは何らか他のライフイベントがきっかけであることが多く、例えば結婚や出産、介護などが該当します。
多様な生き方が浸透し始めているとは言え、大体のライフイベントは年齢でおおよそ分ける事ができるので、今回は年齢ごとに転職のきっかけを紹介していきます。
20代〜30代の転職理由・きっかけ
婚約・結婚
家や育児を見越して収入を改善したい
主に男性に多いですが、今の仕事は充実しているが恋人との結婚を考えたときに今の給料では将来が不安で給料を上げたい、という事情で転職のご相談にいらっしゃる方がいます。
私も就職活動をしていた時には年収よりも仕事のやりがい重視だったのですが、その時面接官から「うちは給料安いけどいいの?」と聞かれました。
私は即答で「お金よりもやりがい重視なので大丈夫です!」と回答したのですが、それに対して「今はそう言っていても将来絶対考えが変わるよ」と言われたことが今でも鮮烈に覚えています。
そして実際その通りになりました。
今でも仕事のやりがいは重視していますが、結婚を機に給料に対するこだわりが急激に高まったのです。
結果として人材業界はリーマンショック以降順調に伸びたのでその恩恵を受けることができましたが、就職活動当時の会社の平均年収がそのまま上がっていなかったとしたら私は転職していたことと思います。
こうしたお金の必要から転職を考える場合に気をつけなければならないのが、異業界への転職を余儀なくされるケースが多くなる点です。
なぜなら給料はある程度業界水準というものがあるので同業他社では転職しても大幅な給料アップが見込めない場合があるからです。
さらに結婚した後でも奥さんが専業主婦を希望しているとの理由から給与アップを実現したい、という方もいます。
また、未経験の業界に転職するのは年齢を重ねるほど難しくなっていくという点は意識しておいたようが良いでしょう。

ワークライフバランスを改善したい(残業を減らしたい)
給料は特段問題ないものの、労働時間が長くて一緒にいる時間が確保できないという理由から転職を考える人も多くいます。
特にコンサル業界は労働時間が長い傾向があるためワークライフバランス改善を希望される方が非常に多いです。
毎日早朝から深夜まで、土日も仕事という環境が続くと夫婦の関係性が悪くなる原因となります。
ベンチャー企業にチャレンジしたい
大企業にいる若手の方が自社の保守的な社風に嫌気が差してベンチャーに行くケースはよくあります。
以下の記事で大企業とベンチャーの比較をしていますので機になる方はチェックしてみてください。
https://careertenshoku.com/big-venture/相手の住んでいる場所に引っ越したい
交際時点では遠距離恋愛をしているカップルがいざ結婚しようとするとどちらかが会社を辞めて相手の住んでいる場所に引っ越すというケースがよくあります。
どちらかというと女性が辞めて男性が働いている場所に引っ越すことが多いものの、男性の職場で転勤が多い場合、転勤のない会社を選んで転職するケースも見られます。
出産・育児
産休や育休の取得実績が豊富な会社に行きたい
次は出産と育児です。
奥さん側の立場で言うと、産休や育休の制度はあるものの会社として制度を利用した前例が乏しく復職するイメージが持てないという理由から転職を考えるパターンがあります。
最近ではポジティブアクションも盛んであり、女性管理職比率も高めたい企業が多いため、女性にとっては徐々に働きやすい環境になりつつありますよね。
しかし、これまで長いあいだ男性社会だった分、産休や育休の取得実績がないことで不安に思うケースが多いようです。
こうした理由で転職する方は女性管理職比率が高かったり、育休産休後の復職率が高い企業に転職していきます。
育児に時間を割くため通勤時間や残業を減らしたい
旦那さんの仕事が忙しくて子育てにあまり参加できず、奥さんが子育てでノイローゼになってしまったのを機に労働時間や通勤時間を短縮できる職場への転職を希望するケースがあります。
子供が学校に馴染めないので違う場所へ転校させたい
子供がいじめられたりして学校に馴染めない場合、離れた土地で再スタートするために転職するというケースがあります。
あとは銀行員やMRなど、転勤が多い職種の場合、家族帯同だと子供が転校を繰り返すことになり、それが教育上良くないということで転勤のない職場に転職するというケースもあります。
子供を私立に通わせるために収入を上げたい
子供を私立に通わせたい(もしくは既に通わせている)場合、お金がかかることから給料を上げる必要に迫られ転職を考えるという世帯も珍しくありません。
元々は給料が高くても業績悪化によってボーナスが減ったり出なかったり、想定通りの昇給が果たせなかったりして当初立てていたライフプランが実現できないことがあります。
特に身を置いている業界が不景気で今後も改善の兆しが見込めない業界にいると不安が募り転職するきっかけとなります。
40代〜50代の転職理由・きっかけ
介護のために通勤時間や残業時間を減らしたい
私も就職活動をしていた時には考えもしなかったですが、年を重ねるといずれ親の介護という問題と向き合うことになります。
他にも兄弟がいれば別ですが、少子化で一人っ子の家も多い現代においては多くの方にとって避けられない問題であることでしょう。
デイサービスや老人ホームのサービスを利用しようと考えても、介護業界で働く人材が圧倒的に不足しているため、希望しても全員がサービスを利用できるわけではありません。
長期的に見れば介護ロボットが発達していくかもしれませんが、介護業界の労働力不足は今のところ改善の兆しもなく当面は今の状況が続くと想定されます。
親の介護が必要になると、労働時間や勤務地の制約につながり、東京で働いていた方が地元に帰らざるを得なくなることはよくある話です。
介護と仕事を両立しやすいよう、在宅勤務制度がある会社への転職を希望されるケースもあります。
介護のために離職していたが問題が解決したので再就職したい
介護と仕事を両立できない場合、退職をせざるを得なくなります。
それまでの貯金で生活しながら親の介護を続けることになるのですが、親が亡くなり介護の必要がなくなったあと再び仕事を始めたいというケースがあります。
希望退職・役職定年を機に新たにチャレンジしたい
希望退職や役職定年は特に50代の方が転職を考える主なきっかけの一つです。
自分自身は元気でまだまだ働きたいが、今の会社でいつまでも上の役職にのさばっていては後進が育たないといった親心から転職の相談に来られる方は多くいらっしゃいます。
ライフイベントを機に転職を考えたら
ご紹介したように、自分の意思とは関係のない要因で仕事や会社を選ばざるを得ないことがあることは覚悟しておく必要があります。
そうした不測の事態に備えてすべきことは転職エージェントに登録しておくことです。
転職エージェントを通じて定期的に求人情報をアップデートしておけば、いざという時あたふたせずに済みます。
