・外資から日系への転職で何か気をつけるべきことってあるのかな?
・日系企業ってどんな環境なんだろう?うまくやっていけるかな?
・希望通りに日系企業への転職が実現しないケースや、転職しても合わずにすぐまた外資系企業に戻ってしまう人も多い
・日系に転職すると給与は大幅に下がる
・合理的に仕事を進める事が難しい
・外資出身者を嫌う日系企業も多い
私は転職エージェントで日系企業への転職も外資系企業への転職支援もしてきました。その経験から学んだことをシェアさせていただきます。
日系に転職してから再び外資に戻る人は多い
外資系企業から日系企業に転職をしたものの、日系企業のことが嫌になって再び外資系企業に戻る人は珍しくありません。
それだけ日系と外資の風土は大きく異なるんですね。
特に、外資の経験しかないような人が日系企業に転職する場合にはカルチャーショックを受けることが多いです。
具体的にどんなギャップがあるのかご紹介していきます。
外資から日系に転職して後悔する理由
年収が予想以上に下がる
外資から日系に転職する上で最もネガティブな要素は年収が下がることと言っていいでしょう。
例えば、ざっくりいうと外資系企業で2000万円もらっている人が日系企業に行くと1200万円〜1400万円程度まで下がります。
目安としては年収の3割ダウンを覚悟する必要があります。
すでに家のローンを払い終え、子供も手が離れてお金が必要なくなったタイミングであればいいかもしれませんが、そうでなければ日系への転職は生活面での妥協を強いられることがあります。
また、「入社してから成果を出して年収を上げれば良い!」と優秀な人ほど考えがちなのですが、日系企業は良くも悪くも給料がパフォーマンスに比例しません。
どれだけ成果を出しても報われない虚しさを感じてしまうかもしれません。
一方で、外資であっても日系の大手と給与水準が変わらない場合もあります。
例えば、日本で長く事業を展開している大手の外資系企業などがその傾向が強いです。
そうした企業に在籍している人であれば日系企業に転職した場合でも給与はそれほど変わらないはず。
自分が転職する場合にどれくらいの給与が望めそうなのかについては、あなたの経歴とその時でている求人との兼ね合いになりますので一度転職エージェントに相談してみるのが良いです。
その場合、相談するのは日系企業のクライアントが多いエージェントを選ぶのがコツ。
外資系企業にいる人はおそらく外資系のエージェント(マイケルペイジ、ロバートウォルターズ、ヘイズなど)と付き合いがあるはず。
ただ、外資のエージェントが持っている求人は外資系企業がほとんどなので日系企業への転職を相談しようにも求人は紹介してくれません。(外資エージェントでも日産やFRあたりなら取引あるかもしれませんが。)
なので日系企業への転職を視野に入れるのなら日系企業に強いリクルートエージェントやdodaあたりを使うことをオススメします。
特に、まだ選考までは進めずに情報収集から始める場合ならリクルートエージェントが良いです。
転職エージェントの中で唯一自分で求人検索ができる機能が付いているため、面談さえ済ませておけば日本トップの求人データベースを自由にみることができます。
登録も利用も完全無料なので使っていない方は登録と面談だけしておきましょう。
非合理的な仕事の進め方へのストレス
合理的に物事を判断する外資系企業と異なり、日系企業では非合理的なことがあふれています。
目的の決まっていない会議、上司が帰るまで帰れない雰囲気、遅々として進まない新規事業などなど。
日系企業では正しいことを主張することが望ましい結果につながるわけではありません。
自分のやりたいことを通すには会議の場で主張するのではなく、会議の前に根回しをしておき、会議の場ではすでに合意形成ができている状況を作らねばなりません。
改革を進めようとする人は異端者として弾かれたりします。
これが日系企業の現状です。
私が遭遇した事例として、とある大手日系企業が海外の企業を買収した時のことをご紹介します。
買収された会社の経営陣(外国籍の方)が優秀だったため、日系企業本体の執行役員に登用したのですが、その登用された外国人執行役員は日系企業の根回し文化に嫌気がさして一瞬で退職してしまったのです。
本社は慌ててその人材の代わりとなる人材を探さねばなりませんでしたが、それほど日本以外の文化で育った人から見ると日系企業は異質なのです。
全ての企業が同じとは言いませんが、外資系企業のスタンダードと日系企業のスタンダードは大きく異なるということは意識しておくべきでしょう。
カルチャーの面でのミスマッチを減らす上では、転職を考えている(日系)企業に外資出身者がいるかどうか、海外拠点での勤務経験がある人がいるかどうか、などを選考の過程で確認しておくのがオススメです。
外資の経験がなくても海外拠点での経験がある人は割と外資よりの感覚を身につけていることが多いので、総合商社のように海外駐在戻りの人が多い日系企業でならそれほどギャップを感じずに働ける可能性があります。
選考を受ける前であっても人員構成がどうなっているのかについてエージェントも情報を持っていたりするので、応募する前に聞いておいても良いと思います。
狙うなら日系の大手がオススメ
外資でキャリアを歩んできた人にとって、日系企業の中で最も現実的な転職先は超大手クラスの企業です。
理由は超大手になると同じように外資出身者や外国籍の人材もすでに多く採用されており、働きやすい環境が整っているからです。
また、大手になるほど海外事業比率も高くなり、海外拠点や海外の企業とのやり取りも多く外資系のカルチャーについても理解がある点もプラスです。
これが中堅中小企業、準大手クラスくらいの企業だと外資出身者というだけでアレルギー反応を示して採用しないケースがまだまだあります。
超大手クラスを狙う方がカルチャーだけでなく給与水準の面でもギャップが少なく転職できる可能性が高いので、日系企業への転職を考えるのであればまずは大手から順番に探してみるのが良いと思います。
それでもあなたは日系企業に転職したいですか?
今の環境(=外資)が合っていると感じている人が日系企業に転職して活躍するには相当のストレスを乗り越えなくてはなりません。
雇用の安定性を求めて日系企業で働きたいと考える人は多くいます。
しかし、日系企業でも外資に買収されたり業績悪化でリストラされるリスクは当然あります。
日系企業だから安泰、というわけでは決してありません。
また、「日本に貢献するために日系企業に転職したい!」という人も多いです。
しかし、その志を実現するために必ずしも日系企業で働く必要はないと思います。
引き続き外資系企業の日本法人で働き日系企業や日本に住んでいる人に向けて事業をする方がストレスなく自身の成し遂げたいことを実現できるかもしれません。
これは日系企業が良いとか外資の方がいいとかいう話ではなく、あなたに合っているか合っていないかの問題です。
カルチャーのミスマッチは一瞬で働く側のモチベーションを奪います。
自身に日系企業が合うかどうか、ぜひ慎重に見極めてください。
また、見極める上ではぜひ転職エージェントの力も借りてみてください。
自分が働く上で大事にしたい価値観を引き続き継続しながら働ける日系企業があるのかどうか、自分だけで探すのはかなり困難だと思います。