転職を繰り返す人のことをジョブホッパーと言いますよね。
ジョブホッパーになるためにはたくさん転職をしないといけなくて、たくさん転職できているということはそれだけ多くの企業から評価されているということなのである意味優秀な人しかジョブホッパーになれないという見方もできます。
ただ、どれだけ優秀でも転職回数が増えていくにつれていつか終わりがきます。
転職エージェントとして10年近く働いた経験から書いていきたいと思います。
ジョブホッパーとは何か
ジョブホッパーとは、職場を転々として何度も転職を繰り返す人のことを指します。
ジョブホッパーかどうかを判断する明確な基準があるわけではなく、何回以上転職をしたらジョブホッパーと呼ばれるのかは年齢によっても当然変わってきます。
その点で言えば転職回数だけでなく在籍年数が重要な要素になります。
およそ転職回数が3回を超えると多い部類に入ってきますが、50代の方が3回転職していても(=4社経験だとすると)1社あたりで7年程度在籍していることになりますので、ジョブホッパーとは言えません。
目安を挙げるのであれば、1社あたりの在籍年数が1年前後と短い人がジョブホッパーと呼ばれることが多い印象です。
なので、22歳で就職した人が30歳の時点で7回前後転職していたとすれば、ジョブホッパーと見なされる可能性が高いです。
・ジョブホッパーとは転職回数が多い人
・転職回数だけでなく在籍年数が重要
・ジョブホッパーのラインは年齢や業界、職種などによって異なる
ジョブホッパーは転職市場でどう見られるのか
ジョブホッパーは転職活動で不利になることが多いです。
その理由は「すぐに辞められたら困るから」です。
企業にとっては採用コストや教育コストがかかっているので、採用した人材にすぐ辞められてしまっては困ります。
なのでできるだけ長く続けてくれそうかどうかは選考基準の一つになるのですが、その際に何度も転職している人はすぐにまた辞めそうだという印象を与えてしまうことが多いので不利になるのです。
・ジョブホッパーは転職で不利になることが多い
・企業は「すぐに辞めてしまうのでは?」と心配する
ジョブホッパーになりやすいのは優秀な人と他責な人
ジョブホッパーと呼ばれる人は大きく2つのタイプに分けられます。
一つ目が優秀な人。
優秀であるが故に将来に向かって明確な目標があり、そのために今の職場でやること、次の転職で達成することなどマイルストーンをしっかりと定めている人が多いです。
一つの職場に留まっているよりも転職をした方が環境を大きく変えられる分だけ成長スピードも速くなると考えて転職していきます。
そうした人は実際に転職するごとに職位や年収を上げていく人が多いのが特徴だったりします。
一方で、ジョブホッパーの中には他責思考の人も多いです。
他責思考の人は今の環境に不満を持ちがちであり、その不満の原因を自分ではなく周囲が悪いと考える傾向があります。(自分が評価されないのは上司のせい、のようなことです。)
その時々の環境から抜け出そうと転職を繰り返す形になり転職回数が増えていきます。
ジョブホッパーでも転職しやすい事例
転職回数が増えても転職しやすいケースについてご紹介していきます。
外資系企業
外資系企業は日系企業と比較して転職回数が多い人が珍しくありません。
外資系企業はリストラもありますし、そもそも1社でずっと勤務し続けるという考え方を持っていない人がほとんどです。
⇨関連記事:外資系企業で働く人が転職を考える理由【なぜ辞めるのか?】
入社した途端にグローバルでリストラが始まってしまい入社年次の浅い自分が対象になる、というようなケースは珍しくありません。
なので外資系企業にはジョブホッパーと呼ばれるほど転職を重ねた人も多く働いています。
ただし、その場合でもやはり転職回数が多くなりすぎると不利になることが多いです。
ITエンジニア
職種別で見るとITやWebのエンジニアも転職回数が多くなりがちです。
プロジェクトが落ち着いたら別の会社に転職して新しいプロジェクトに携わる、という流れを繰り返す人が多いのです。
企業側の事情としても多くの企業がエンジニア不足に悩まされているので、転職回数が多い人材でもスキルさえあれば内定を出す、ということが一般的です。
30代で10回以上転職している人も珍しくなく、ジョブホッパーが比較的多いのがエンジニアという職種です。
海外勤務
日本でもようやく転職するということが当たり前になっていますが、海外ではもっと普及しています。
海外ではジョブホッパーが当たり前、という感じです。
20代で3回も4回も転職するのが普通。むしろ転職しないのは「スキルがなくて転職できない人」というレッテルを貼られてしまうことがあるくらいです。
なので来日している外国人も日本人に比べると転職回数が多い傾向がありますし、逆に海外に出て行った日本人も日本にいる人より転職回数が多くなりがちだったりします。
⇨関連記事:海外勤務について知りたい人のための情報まとめ
ジョブホッパーの末路
どれだけ優秀であったとしてもジョブホッパーの末路は悲惨なことが多いです。
希望する正社員として内定をもらうことができなくなり、契約社員や派遣社員として本人にとって不本意な形で働かざるを得ない人がたくさんいます。
転職活動の心強い味方である転職エージェントも、ジョブホッパーは登録しても求人を紹介してもらえないケースが増えていきます。
なのでよほど人脈豊富で自らのコネで次の転職先を見つけられる自信がある方を除いては、ジョブホッパーになることはリスクが高いと言えます。
ジョブホッパーになったらどうすれば良いのか
転職回数が多くなった結果、転職活動がうまくいかなくなってしまった人はどうすれば良いのでしょうか。
一つは今の会社で出来るだけ長く働くことです。
中途採用の際に企業は転職回数だけでなく直近の在籍年数を特に重視します。
転職回数が少なくとも今の会社に入って1年未満だと短すぎると判断されることも多いですし、最低でも3年以上は同じ職場で働く方が良いです。
すでに無職になっている場合であれば、自分とできる限り親しい人に働き口を紹介してもらえないか掛け合うことも大事です。
ハローワークや転職エージェント、転職サイトなど一般的な転職チャネルを通して応募をしても、転職回数が多かったり在籍年数が短いという理由だけで落とされてしまいます。
あなたを深く知っている人を通してあなたの人柄や性格など書類には現れない魅力を企業に伝えてもらい、書類上の不利を克服することができれば内定までつながる可能性が見えてきます。
・直近の在籍年数を出来るだけ伸ばすことが大事
・知人経由で推薦してもらい書類上の不利に打ち勝つ
関連記事:経歴詐称は絶対にバレます【転職回数を少なく書かずに内定を勝ち取る方法】