試用期間中に退職するのって転職活動に不利に働くのかな?
転職した初日に合わないと感じた。もう辞めたいけどそれってどうなの?
転職エージェントでの経験から言えば、試用期間中の退職は転職で不利になることがあります。
しかし、企業側に非がある場合には問題ないとみなされるケースや伝え方によってある程度フォローできる場合もあります。
また実は「合わない職場で働く」ことのデメリットも大きく、中長期的に考えれば早期に退職する方が良いケースもありますので詳しく解説していきます。
試用期間で退職する人は3%前後いる
試用期間中に退職する人はどれくらいいるのでしょうか?
正確な統計データは出ていないのですが、転職エージェントとしての経験から申し上げるとおよそ1%〜3%前後が試用期間で退職している印象です。
当然、定着率が高い企業もあれば低い企業もあるので一概には言えませんが試用期間で辞めてしまう人はそれほど珍しいわけではありません。
なので例え試用期間で退職してしまったとしても、必要以上に落ち込む必要もありません。
試用期間での転職活動は不利になることが多い
入社した会社を試用期間中に退職する場合、次の転職活動では不利になることが多いです。
例えば、試用期間中に転職活動する場合と1年以上勤務した場合とで比較すると書類選考通過率は2倍以上違いがあると覚悟しておきましょう。
例えば本来10社応募して4社書類選考が通過する経歴の人でも、試用期間中に転職活動をしたら2社しか通過しないということです。
なぜ不利になるのかというと、企業から見た印象として「忍耐力がない」「会社のせいにしがちな人材である」のように映ってしまうからです。
企業からすれば採用と受け入れにお金と手間をかける以上は長く働いてくれる人に内定を出そうとしますし、長く働いてくれるかどうかの判断基準として直近の在籍期間が見られることは多いんです。
ただ、不利ではあるにせよ内定をもらうことが不可能なわけではありませんし、そもそも転職理由次第では不利にならないこともあります。
企業側に非がある場合には不利になりづらい
試用期間中に退職してもそれが次の転職で不利になるとは限りません。
例えば以下のように会社側があなたに伝えていた内容が嘘だった場合がそうです。
・仕事内容が聞いていた内容と異なる(海外営業と聞いていたのに国内営業をやらされている等)
・給与や賞与の金額や支払い条件が聞いていた内容と異なる(賞与は毎年出ていると聞いていたのに業績が悪くて出ていないことが判明したなど)
こうした理由は個人に非がないことなので、短期での転職であっても不利にならないことが多いです。
また、次もこうした「聞いていた話と違う」というギャップが起きないようにする上で重要なのがきちんと事前に「採用条件通知書」をもらっておくこと。
採用条件通知書には業務内容や給与条件などが明記されているので、オファー時に聞いていた内容を証拠として残しておくことができます。
自己応募で内定をもらうと軽くみられて書類をもらえないこともあるので、転職エージェントを間に入れることでリスクを回避しましょう。
自己都合退職の場合の伝え方のコツ
もし会社側に非がなく自分自身の問題で退職する場合には伝え方を工夫するようにしましょう。
その際、できるだけ事実に基づいてポジティブな表現に言い換えることが重要ですので2つの例で紹介していきます。
従業員間のトラブルで辞める場合
例えば飲みの席で役員に失礼な発言をしたなど、従業員間のトラブルで退職に至った場合は以下のように言い換えると印象が良くなるはずです。
【表現例】
早く会社に馴染むために努力したことが、結果的に他の従業員を不快にさせてしまった。そのことで仕事面でも支障が出るようになったため退職することを決断しました。
会社の期待値に届かずクビになった場合
自分がその仕事をできると言っていたのにできなかった場合はアレですが、会社が任せたいと思っていたことが選考段階であなたに十分に共有されていなかった場合は採用ターゲットと自分のスキルとが単にミスマッチだっただけで採用側のミスとも言えます。
こうした期待値ギャップでの退職の場合、面接での伝え方としては以下のような感じが無難です。
自分の強みと会社が求めることにギャップがあり、早期ではありましたが双方合意の上で退職することとなりました
ポジティブな言い方に変換したら必ず選考に受かるというものでもありませんが、言い方次第で相手が抱く印象が大きく変わることも事実です。
どんな風に伝えるのが良いか、自分だけでうまく整理できない場合にはエージェントの担当者にも相談してみてください。
辞めないことにもデメリットがある
見落としがちなこととして、実は会社を早く辞めないことにもデメリットがあります。
まず、試用期間で退職しようと思うくらい自分に合わない会社で長く働いてしまうと精神を病んでしまうリスクが高まります。
メンタル系の病気になってしまうと短期で辞めるよりも遥かに転職市場からの評価が厳しくなるため、そうなる前に転職するのはとても賢明な判断と言えます。
試用期間中で退職することで書類選考通過率が半分になると書きましたが、鬱病と診断されて通院した過去があると通過率はそのさらに半分くらいになったりします。
また、精神的には楽だけどスキルが身につかない、というようなケースもあるでしょう。
その場合も長く働くことで市場価値を下げることになってしまうためオススメしません。
なぜなら市場価値は年齢とスキルのバランスで決まるからです。
ダラダラと年齢だけ重ねてしまいスキルが身に付かない環境だと感じるのであれば早期に退職した方が将来転職できなくなるリスクを避けることができます。
つまり、試用期間で辞めることは必ずしも悪いことばかりではないんです。
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退職を決めたらすべきこと
試用期間中での退職を決めたらすべきことについてご紹介していきます。
履歴書と職務経歴書の更新
転職活動を始めるにあたって、まずは履歴書と職務経歴書を更新しましょう。
直近の会社にどれだけ短期間しか在籍していなかったとしても、履歴書と職務経歴書には在籍していた事実を記載しなければなりません。
「転職活動に不利になるから」と記載しないと問題になりますので必ず正確に記載するようにしましょう。
転職エージェントへの登録
次の転職先を探すにあたっては転職エージェントに求人を紹介してもらいましょう。
今の職場への転職を支援してくれたエージェントにもし再登録できるようであればそこでも構いませんし、選択肢を増やす上では新たに別のエージェントに登録するのも良いでしょう。
私が自分の利用体験からオススメするのはリクルートエージェントです。
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⇨オススメ記事:【体験談】リクルートエージェントの感想を良かった所と悪かったところに分けて解説します
他のエージェントだと「この人だと合格しなさそうだからこの求人は紹介しないでおこう」などとエージェント側の都合で求人を紹介されないこともありますが、自分で求人を探せて応募までできるリクルートエージェントならそうした心配もありません。
試用期間中での転職活動は不利な要素もある分、できるだけ多くの求人と出会えるサービスを利用することが重要です。