人材紹介会社で働くメリットやデメリットが知りたい!
人材紹介会社ってブラックなの?実際のところを教えて中の人!
私は転職エージェントに勤務していますので、中から見て人材紹介会社で働くメリットとデメリットとして感じる点をシェアさせていただきます。
人材紹介会社(転職エージェント)って?
人材紹介会社とは、簡単に言えば、転職したい人(求職者)と採用したい企業(求人)の間に入ってマッチングするビジネスをしている会社です。
求職者から見れば転職エージェントという呼び方の方が一般的ですね。
転職希望者は無料でエージェントを利用することができ、企業は人材を採用した際にエージェントに採用フィーを支払うことで事業が成り立っています。
分業型と両面型とでスタイルが違う
人材紹介会社には両面型と分業型と呼ばれる二つのサービス体制があります。
まず、大手の人材紹介会社では転職希望者との面談を行うキャリアアドバイザーと、企業から求人をもらったりどんな人が欲しいのかをヒアリングする法人営業とで役割が分けられている分業型をとっています。
一方、一人のコンサルタントが企業側との商談も求職者との面談や求人紹介も行う両面型という体制をとっているエージェントもあります。
両面型のエージェントとしてはジェイエイシーリクルートメントが有名です。
有名な分業制エージェント
有名な分業制エージェントはリクルートエージェント、doda、パソナキャリア、マイナビエージェントあたりです。
それぞれサービスのレビューも書いているので気になる方は参考にしてみて下さい。




人材派遣会社との違い
人材派遣会社と人材紹介会社はよく混同されますが別のビジネスです。
派遣の場合には派遣社員はあくまでもパソナやアデコといった人材派遣会社と雇用契約をかわしますが、人材紹介会社の場合には採用したい企業(求人を出している企業)が直接雇用する形になります。
人材紹介会社はメーカーのように倉庫や工場を持つ必要もないことから比較的誰でもビジネスを始めることができるため、個人で事業をしている人も多いのが特徴としてあげられます。
ヘッドハンティング会社との違い
人材紹介会社はヘッドハンティング会社ともよく一緒にされますがこれも別。
ヘッドハンティング会社と転職エージェントの違いもビジネスモデルにあります。
人材紹介会社は登録型の完全成功報酬を取っており、簡単に言えば転職を希望する人をデータベースに抱えており、その中から合う求人を紹介していきます。
また、フィーは企業からもらいますが、完全成功報酬であり、何人と選考しようが採用した時にしかお金がかかりません。
一方、ヘッドハンティング会社は自社のデータベースに人材を抱えておらず外に人を探しにいきますし、フィーも着手金をもらうなど完全成功報酬ではなくリテーナー型と呼ばれる報酬体系をとっています。

人材紹介会社で働くメリット
いろんな業界のことを知れる
大きな紹介会社となると自分の担当する業界や職種が細分化されています。
その分、狭く深く専門性を身につけることになりますが、比較的小さな紹介会社であれば幅広く担当することができるため、様々な業界について学ぶことができます。
いい人材を紹介するにはそれだけ担当企業や担当業界のことについて勉強しなくてはなりません。
いろんな業界を担当することで各産業の理解が深まり、社会全体のことがこれまでと違う視点で捉えられる感覚になってきます。
営業力が身につく
人材紹介会社は参入障壁の低いビジネスであり数多くの事業者が存在します。
その結果、どの企業に営業をかけてもすでに複数のエージェントを使っていることが当たり前であり、その中で自社を新たに取引先として追加してもらうにはかなりの営業力が求められます。
商品に明確な違いが打ち出しずらいからと言って値下げ競争をしてしまうと利益が出なくなるため、タフな交渉を繰り返していく結果、高度な交渉力が身につきます。
人材紹介会社の企業向け営業で実績を出せれば他の業界でも重宝される営業力を身につけることができます。
成果を出すといくらでも年収を上げられる
結果を出せばかなりの高収入が期待できます。
人材紹介の場合、コストは自らの人件費がメインであるため、そのコスト分を売り上げればそれ以降は全て利益と言っても過言ではありません。
外資や小さな紹介会社ほど給与に占めるインセンティブ比率を高く設定している傾向にあり、成果を出せれば年収3000〜5000万円を超えることだって可能です。
長く続けるほど成果を出しやすくなる
人材紹介のコンサルタントにとって、担当業界における人脈は掛け替えのない資産です。
自分が転職支援した人物が今度は求人を発注してくる立場になったり、転職を希望する友人を紹介してくれたりと、信頼関係を築けば長期的なパートナーになることも可能です。
そうしたパートナーが仕事を続ければ続けるほど増えていくため、長く続けることでますます成果を出しやすくなるでしょう。
特に、人材紹介業界は人の出入りが激しいため、その中で長く続けることは自らの市場価値を高めることにもつながります。
長きにわたって築いた人脈があれば、平均的なサラリーマンの給与は週2勤務とかでも稼げると思います。
実力があれば独立もできる
人材紹介というビジネスは自分一人だけでも行うことができてしまいます。
なのでコンサルタントの中には人材紹介会社での経験を積んだ後に独立する道を選ぶことがあります。
先ほど、稼げるという話をしましたが、自分一人でビジネスをすれば売り上げ=年収といってもいいほどコストはかかりません。
会社のリソースに依存せずともやっていけるだけの実力がある人にとってはほぼノーリスクで起業できてしまうのです。
最近ではビズリーチのような転職サイトにかなりの人材が登録しているので、そうしたデータベースと契約すれば人脈がない方でも始められてしまいます。
人材紹介会社で働くデメリット
毎月ゼロリセットで追い込まれる高いプレッシャー
人材紹介会社のコンサルタントは毎月売り上げのノルマがあります。
その月の売り上げ目標を達成しても翌月にはゼロリセットされ、またその月の目標を追わなければなりません。
メーカーのルート営業のように、何もしなくても達成率が90%〜100%近くいく業界とは訳が違います。
自分が何もしなければ売り上げは必ず0なのです。
しかもこのビジネスには意思決定主体が企業と人材の2つあるため、片方がいいと思っていても片方がそう思わなければお金がもらえないビジネスです。
目の前のお客さんにごり押しすれば数字が上がる世界でもありません。
そんな環境の中、今月は達成したとしても、来月はまた売り上げ0からのスタートになるのです。
そしてそれが永遠と続くのです。
その終わりのないプレッシャーに耐えかねて退職する人が多くいます。
常に忙しい
日中は担当企業に訪問して求人の打ち合わせをし、夜には転職希望者との面談をする必要があるため、かなり忙しいです。
転職希望者は土日でも連絡がありますし、面接対策を土日で行うこともあります。
面接に遅刻するなどの緊急連絡がいつ入るかもわからない緊張状態を常に強いられることになります。
会社で1位を取るくらいガムシャラに働いた後は燃え尽き症候群で辞めてしまう、というケースも珍しくありません。
最近は働き方を改めましたが、私自身も入社以来ずっと毎月の残業時間は100時間を超えていました。
業界が景気の影響を受けやすく不安定
人材紹介業は景気変動の波にもろに影響を受けます。
簡単に言えば、好景気の時には人材紹介ビジネスも好調ですし、不景気になれば業績が悪くなります。
人件費は固定費なので、企業からすると景気が悪くなったら固定費を増やす投資を控えるようになるためです。
ここ数年は人材紹介会社各社業績が良かったですが、これから景気減速局面に入ると軒並み業績が悪化していく可能性が高く、成果を残すことが難しくなると予想されます。
そうなればボーナスは下がる、あるいはゼロになることも考えられます。
給与のアップダウンが激しいため、生活の安定性を重視する方には厳しい業界と言えるかもしれません。
人材紹介大手のジェイエイシーリクルートメントではリーマンショックに際して内定切りをしたことが話題に上がり、売上も従業員数も半減しました。
キャリアパスが限定的
人材紹介会社でのキャリアは基本的にコンサルタントとして築いていくのが大半です。
担当業界が変わったり、部下を持つようになるなどの違いはありますが、メーカーのように生産管理や購買といった職種が存在しないため、ジョブローテーションにより様々な仕事を経験することは難しいという特徴があります。
それは一つの仕事を極められるという意味ではメリットとも言えますが、幅広く経験を積みたいと考える人には不向きと言えるでしょう。
とは言え、人材紹介会社のコンサルタントとして一定の経験を積めば、企業の人事採用担当として転職できる為、人事を希望する人が転職するのに必要な経験を積むために転職してくることはよくあります。
以上、人材紹介業界は魅力もある反面、厳しい業界でもあります。
自分に合っているかを見極める上では、実際に企業に面接に行って話を聞いたり、エージェントからアドバイスをもらうといいでしょう。
ネットの情報だけで判断してはいい転職はできません。

人材紹介会社はブラックなのか?
人材紹介会社はブラック企業なのでしょうか?
これはかなり企業によって差がある為なんとも言えませんが、ブラック企業と言われても仕方の無いような人材紹介会社があることは否めません。
例えば、転職希望者からお預かりする個人情報を本人の許可なく企業に渡すような悪徳業者も混じっているようです。
また、個人のキャリアを真剣に考えず、とにかく早く転職させようとしか考えないエージェントもあります。
そうしたエージェントは確かにブラックかもしれませんね。
また、働き方の面でも成果主義の色合いが強いのでハードワークになりがちです。
私も入社して数年間は毎月の残業時間が100時間を超えていました。
私は好きで働いていたので働かされていた感覚は全くなく、ブラック企業とは思っていませんが、人によってはそう感じるかもしれません。
