転職しようと思ってるけど、TOEICの勉強をしたほうがいいのかな?
TOEICで何点くらい取れば転職に有利なの?
転職エージェントの立場からこんな疑問にお答えします。
資格の中でもTOEICはかなり人気です。
転職エージェントに登録する時にもほぼ必ずといっていいほど、TOEICのスコアを入力できる場所があったりします。
結論から言えば、TOEICの点数は転職活動で有利になるものの、同じ英語ならTOEICより実務での使用経験があった方が遥かに有利となります。
詳しく解説していきます。
転職市場で英語力は高く評価される
日系企業の海外進出は止まることを知りません。
外務省によると、平成29年時点で日系企業の海外拠点数は7万5000を超えています。
また、日本に拠点を置く外資系企業の数は2016年時点でおよそ3400社(経産省発表)であり、その後も毎年新たな外資系企業が日本へ進出してきています。
こうした背景から英語力を必須とする求人は年々増加傾向にあるのです。
とは言っても、ここ2〜3年は日本国内の経済が比較的好調だったことから海外事業よりも国内事業要員が足らず、多くの企業が英語ができなくとも中途で積極的に採用をしていました。
しかし、中長期的に見れば日本国内から再び海外に事業の軸足が変わる可能性が極めて高く、そうなるとわざわざ外部から採用する人材には英語力を求めるという企業もさらに増えてくると予想しています。
すでに足元では企業が選考のハードルを上げてきており、転職の難易度が上がりつつあります。
そうした高いハードルを潜り抜ける上で英語力は強力な武器となります。
なぜ日本勤務でも英語力が必要なのか?
事業がグローバル化している企業においては、海外駐在する人はもちろんのこと、生産技術、経理、人事、開発、ITエンジニアなど、あらゆる職種で英語力が求められます。
その理由は日系企業は日本が本社機能を持つため、世界中の拠点とのやりとりが発生するためです。
例えば海外に工場があっても、そこのマネジメントは日本からも行います。

となると、海外工場の生産効率改善のために日本から生産技術のスタッフが海外に出張で技術を教えにいく必要も出てくるのです。
経理であれば海外子会社と日本本社との連結決算の対応が必要ですし、人事はグローバル共通の人事制度を作り上げなければなりません。
そうなると各拠点の人事や役員たちとコミュニケーションを取る必要が出てきます。
日系企業なのだから海外拠点で雇っている従業員の幹部は日本語ができるのでは?と思うかもしれません。
確かに、本社に英語ができる人が少ない企業では日本語ができる外国人を中心に雇うケースがあります。
しかし、日本語ができる外国人は極めて少数であることから多くの日系企業では海外拠点において日本語ではなく英語ができる人材を採用しているのです。
そうした背景から、海外に拠点を持っていたり取引先があったりすると日本勤務であっても英語力が求められるのです。
特に大手になればなるほど職種に関わらず英語力を必須としています。
武田薬品工業や楽天、ソフトバンクといった大手企業は新卒採用時に高い英語力を求めていますし、ファーストリテイリングやメルカリではすでに採用する人材の多くが外国人です。
また、外資系企業の場合には本社が海外であることから本社への報告やミーティングが英語で行われるため、英語力が必須となっています。
どれくらいの英語力が必要なのか?
求人によって求められる英語力は異なる
では転職活動をする際にどれくらいの英語力が必要とされるのかですが、求人によってまちまちです。
例えば以下のような感じで求人の応募要件に設定されることがあります。
・ネイティブレベルの英語力
・メールが出来ればOK
・英語が今はできなくても勉強する意欲があればOK
本社勤務の職種ほど高い英語力が求められる
求められる英語力は職種により違いが出てきます。
例えば、外資系企業でも営業職のスタッフクラス(非管理職)であれば英語力はゼロでも採用してもらえます。
入社時には不要でも、入社後に勉強する意思があるかどうかは確認されることも多いです。
逆にマーケティング職は日系でも外資でも高い英語力を求めるケースが多いです。
外資の場合にはまだ日本で販売されていない商品を日本に導入するにあたって本国のマーケティング責任者たちと密にコミュニケーションを取る必要があります。
日系企業でも自社商品の海外展開にあたっては現地でのニーズを探り、競合を分析し、適切なPRを行ってくれる業者や販売代理店を探す、などなど英語を使うシーンが多岐にわたって発生します。
役職が上がるほど高い英語力が求められる
あとは、職位によっても異なります。
先ほど外資の営業職では英語力不問と言いましたが、管理職クラスでの転職であれば本国へのレポートや上司が本国から来ている外国人だったりするので英語力が必要です。
アジアなら流暢に話せなくてもOK
最後に国です。
仮に海外勤務する場合、アジアであればお互いに第二外国語としての英語なのでカタコト英語とボディランゲージでなんとかやりとりする、程度のことで問題ない場合が多いです。
しかし、アメリカなど英語圏での就業するチャンスを得るには、契約交渉が流暢に行えるレベルを求められるので、海外経験がない人にはなかなかハードルの高い英語力が必要なのです。
欧米では就労ビザを出す条件にも英語力が含まれる場合があります。
転職市場におけるTOEICの価値や評価は?
必要な努力量に対してそれほど評価は高くない
英語力の証明としてTOEICで高い点数を目指している、あるいはこれから勉強をしようと思っている人もたくさんいるかと思います。
しかし、気をつけて欲しいのがTOEICはみなさんが思っている以上に企業からの評価が低いという点です。
資格取得を支援するような企業は絶対にそんなこと言わないですけどね。
なぜかというと、TOEICで高い点数をとるのと実際に文章を書いたり話したりするのとでは求められるスキルが全く異なるからです。
言い換えれば、TOEICで高い点数を取るためだけに勉強をして800点取ろうがビジネスで使えるようにはなりません。
そうした、勉強だけしてきた人を採用したもののビジネスの現場で全く英語が使えないという失敗を企業も経験してきており、スコアが高い人よりも実際に使用経験がある人の方を評価する傾向が年々強まってきているのです。
TOEICは650点だけど外国人の友達とよく英語でコミュニケーションを取っているような人の方がよっぽど評価されます。
とはいえ、英語力の目安としてTOEICの点数を応募要件に求めてくるケースがないわけではありません。
つまり、重要なことはTOEICの対策をすることではなく、英語の運用能力を高める訓練をした上で、その効果検証手段としてTOEICを受けてみる、というのが本質的な取り組みといえるでしょう。
TOEIC800点以上あれば一定の評価につながる
あえてTOEICの点数で評価される基準を挙げるなら800点です。
普段から英語をビジネスで使っており、TOEICも800点以上取っている人であれば、日系でも外資でも問題ありません。
しかし、もしこれまでビジネス上での使用経験がない方の場合には900点以上ないと、実際の業務では使えないと判断されることもあり得ます。
英語ができれば海外勤務のチャンスも
英語力があれば海外転勤も夢ではありません。
外資系企業であれば地域統括拠点のある香港やシンガポール、あるいは本社での勤務のチャンスがあります。

日系企業の場合には拠点を持っている海外全てに赴任するチャンスが出てきますが、駐在員として赴任する際には日本での役職から1〜2段上の役職で仕事をするのが一般的です。
つまり、日本で課長級の人は海外拠点では役員クラスのポジションで仕事をすることができるので、単に海外で生活するチャンスというだけでなく、仕事面でも日本より遥かにチャレンジングな経験を積むことができるのです。
当然、駐在員であれば駐在手当や住宅が会社負担など、高待遇が期待できます。

転職で使える英語力を身につける方法は?
日常業務で英語を使うのがベスト
転職市場で最も評価されるのは日常業務で英語を使っていた経験です。
自分が引き受けられる仕事で、英語が活かせるものがないかを探してみてください。
いきなり商談を英語でする必要がありません。
海外拠点の社員とメールでやりとりする、くらいのことでも十分な実績となります。
メール、スピーキングの使用経験を一つでも多く積むようにしましょう。
業務で使えない人は英会話学校などで話す練習を
英語力を身につける上でどんな方法が良いのでしょうか。
先ほども述べたように、単にTOEICの点数を上げるための勉強は企業から全く評価されないのでお勧めしません。
なので、本屋さんによくあるようなTOEIC対策本はスルーしてOKです。
また、語学留学という手段もありますが、語学留学をしている期間は仕事から離れることになります。
3ヶ月程度の語学留学ではビジネスレベルまで英語力を高めることは難しいので最低半年以上は留学する必要が出てきますが、そうするとネックになるのが仕事のブランクです。
転職市場において仕事の空白期間は即戦力性への懸念に繋がるほか、語学留学自体が「仕事から離れて遊んでいた」との印象を持ってしまう選考官も多くいるためお勧めできません。

結論、日本にいながらにしてビジネスで使える英語力を高める方法としては英会話学校など実際に話す練習ができるものがオススメです。
英会話学校ではライティング能力が伸びないのでは?と思われるかもしれません。
確かにライティングもある程度慣れが必要なのですが、ビジネスで最もスキル不足が露呈しやすいのがスピーキング能力なのです。
ライティングは中学レベルの英語力がある方なら、時間さえかければGoogle翻訳を使いながら意味の通じる英文を作成することは難しくありません。
なので、相手から英語でメールが来ても翻訳機能を使って意味を理解し、翻訳機能を使って意味の通じるメールを作成すれば、なんとかやりとりが成立します。メールは時間差があって当然のコミュニケーションだから問題ないのです。
しかし、スピーキングは瞬発力が求められます。相手の言った事をその場で理解し、伝えるべき内容がパッと口から出なければなりません。
スピーキングのやりとりに時間をかけていてはビジネスになりませんので、優先順位を高く伸ばすべきスキルはスピーキング力なのです。
私もTOEICの勉強しかしていなかった組なので、GABAに通って英会話力を伸ばすことに注力しました。

しかし、英会話学校は私が通った経験から言えば、余程自己管理がきちっとできる人でなければ成長しません。
なぜなら英会話学校はあくまでも自己学習の成果を実際に話すことで確かめる場としての役割の方が大きいからです。
つまり、英会話学校以外でもしっかりと単語や熟語などを勉強していける人でないと英語力が身についていきません。
そうしたセルフマネジメントが苦手だという人はこちらの記事を読んでみて下さい。⇨転職エージェントで働く私が英語学習にプログリットをオススメする理由